コスモスに寄せて
      2015 / 09 / 04 ( Fri )
      今朝、お散歩帰りにお花屋さんへ寄りました。

      パッと目に飛び込んできたのは、ピンクのコスモス。

      迷うことなく、買い求めました。


      ホテルに着き、花瓶に生けてしげしげ眺めますと、

      かつて牧場で毎年この時期になるとひょっこり姿を見せてくれていた

      コスモスを思い出しました。


      牧場で手厚い看病の末、旅立ったお馬さんにちなんで

      「アグネスのコスモス」と私は呼んでいました。

      以前、彼女の厩舎前に見事なピンク色のコスモスが咲いていました。

      が、彼女が体調を崩した夏、酷暑にやられて全て枯れ朽ちてしまいました。

      見事なコスモスだったのにな・・・・と内心残念に思っていますと、

      翌年、彼女がいた放牧場の中にひょっこり同じピンク色のコスモスが咲いたのです。


      放牧のため厩舎を出入りする際、こぼれ落ちたコスモスの種が
      彼女の蹄の裏について、放牧場に運ばれた模様です。

      亡きお馬さんの思わぬ置き土産に、私はとても喜びました。

      コスモスは毎年、彼女を偲ぶよすがとなってくれました。

      愛馬の死から1年も経たないうちに、病で同じ場所へ旅立った
      オーナーさんもきっと喜んでおられるだろう、とも。


      「アグネスのコスモス、咲きました?」


      「おお、咲いたぞ!」


      「よかったー!!見にいってきまっす。」


      こんなやりとりが、毎年この時期、私とおじさんの間で必ず交わされました。



      おじさんは、馬に踏み倒されうなだれたコスモスには
      添え木をして手当をしたり、日陰がなく陽がサンサンと照りつける場所に
      顔を出したコスモスには、バケツで水を運んで水やりしたりと
      手をかけて毎年毎年アグネスの置き土産を大事にケアしてくださいました。

      20130416170954bcc_20150904141649e34.jpg




      今日、お花屋さんで買い求めたコスモスを眺めながら、
      ふと思いました。


      おじさんが毎年せっせとコスモスの手入れをしてくださったのは、

      私の喜ぶ顔を見たかった。

      私をがっかりさせたくなかった。

      そんな理由もおありだったのかな、と。


      自分がどれほどおじさんに可愛がっていただいていたか、

      あらためて身に沁みました。

      そして泣きました。



      昨年から、アグネスのコスモスは姿を消しました。

      でも、悲しむまい。


      We will grieve not, rather find strength in what remains behind.


      この一節を自分に言い聞かせた朝。


      20130416170904f8c_20150904141649f84.jpg
      嘆くまい、むしろ残されたものの中に力を見い出そう


      14 : 33 : 20 | つぶやき | page top
      | ホーム |