dog actually主催「それぞれの動物愛護のカタチ」イベント参加レポート(3)
      2009 / 12 / 30 ( Wed )


      10月4日に開催された「それぞれの動物愛護のカタチ」
      最後に登場されたのは、dog actually コラムニストの
      新木美絵さん。

      新木さんはイギリスのレスキュー団体、Dogs Trust から犬を

      引き取り 一緒に暮らしてきた経験をお持ちです。
      この日は、ご自分の体験などを踏まえ、「『Rehoming』
      という選択肢」をテーマにお話してくださいました。

      まず冒頭に、実験動物代替法の提案としてイギリスの研究者
      ラッセルとバーチが1959年に提唱した『3R』が紹介されました。

      3R(※参考記載)

      1.Replacement(代替)
        従来、実験動物を用いて行っていた医学研究を、動物を
        使用しない別の方法(試験管実験や、細胞培養実験など)に
        置き換えること

      2.Reduction(削減)
        実験動物の数を削減すること
                              
      3.Refinemen(改善)
        動物への苦痛の軽減、飼育環境の改善などをはかること

                                
      今回、新木さんご自身で考えられた「犬の3R」を紹介ください
      ました。

      犬の3R -Mie Shinki(2009)

      • Reduction  リダクション
       (殺処分数、生体販売、パピーミルの減少)

      • Refinement リファインメント
       (法改正、犬の福祉の改善)

      • Rehoming  リホーミング
       (家を失った犬に新たな家を見つける、里親になる)

      「Rehoming(リホーミング)」という言葉の意味を
      「家を失った犬に新たな家を見つけること」と説明し、
      イギリスにおける「リホーミング」の取り組みについて
      Dogs Trust (ドッグ・トラスト)の紹介ビデオを流しながら
      解説くださいました。

      (※紹介ビデオは、主催者によるイベントレポート
      ご覧いただけます。)

      簡単にドッグ・トラストの紹介がなされました。
      ご参考までに、ドッグ・トラストについて、こちらでも詳しく紹介
      されています。

      1891年設立(100年以上の歴史あり!)、イギリス国内に17カ所

      の施設を擁す英国最大の犬の保護団体でリホーミングに力を入れて
      いるそうです。
      ドッグ・トラストでは年間1,000頭のリホーム頭数を抱え、
      里親が決まるまでにかかるコストは一頭あたり約10万円。
      全17施設にかかる総費用は年間71億円。
      うち40億は市民や企業による寄付、22億は遺産の寄付、その他は
      イベント等による収入でまかなわれているそうです。
      (莫大な年間経費の半分以上が寄付でまかなわれているのは
      驚きですね!ちなみに、イギリスでは慈善団体への寄付には税金が
      かからないのだとか。)

      里親は、引き取り金として1頭につき60~100ポンド(約9,000~
      15,000円)をドッグ・トラストに支払うのだそうです。
      その他の保護団体として、RSPCA(王立動物虐待防止協会)や
      ウッドグリーンアニマルシェルターズ、ブルークロス、
      バタシー・ドッグズホームなどの名前が紹介されました。
      いずれの団体においても、子供への教育に力を入れている、との
      お話に、マルコ・ブルーノさんの「ペット文化定着に最も必要な
      ことは子供の教育」との言葉を想いました。

      新木さんはおっしゃいます。里親希望者に対する厳しい審査は
      犬と迎え入れる家族双方にとって当然必要なこと。
      日本でも、ペットショップに来る感覚で気軽にレスキュー団体に
      足を運んでもらえるようになってほしい。
      「うちの子、あのレスキュー団体から来たのよ。」と飼い主が
      誇れるような、一種の「ブランド意識」を目指せたら
      嬉しいですね、と。

      では、実際にレスキュー団体はどうあるべきか?
      新木さんのお考えは以下のとおりです。

      ・施設は必ず清潔であること!
       動物の住まいが清潔なのは当たり前。
       その上で、お洒落、可愛く明るい雰囲気を目指そう

      ・世話が行き届いていること
      ・問題行動を持つ犬への適切な対応
      ・親切で、気持ちのよいスタッフの対応
      ・経営能力
      ・信頼(ブランド意識醸成にはこれが必須)
      ・地域に開かれた施設であること。(イベント開催など)

      ドッグ・トラストのように、CMやスポンサー、ドッグショーなど
      の開催は資金的に難しくとも、明るく楽しい雰囲気を醸し出す

      ために、イメージカラーを設けたり(ドッグ・トラストのイメージ

      カラー はイエロー)、チャリティイベントや、著名人、芸能人の

      賛同を得るなどの方法は取り入れられるのではないかと

      思いました。
      また、引き取り料ができるだけ高額にならないように設定し、
      金銭的負担なく犬を手に入れるメリットを提供することも大事、
      とのことでした。

      私たちができるアクションとして、次のことが紹介されました。

      ・まず、現実に目を背けないこと(実は知らない人がほとんど)
      ・信頼できる保護団体に寄付する
      ・里親が決まるまで、一時預かりを申し出る
      ・保護団体でボランティアをする
      ・署名活動に参加する
      ・生体を扱うペットショップで買わない、行かない!

      そしてこの言葉を贈ってくださいました。

      “You can make a difference!” (あなたが変えられるのです)
      “One step forward!”(一歩踏み出して!)

      はじめて知りましたが、徳川綱吉の時代、犬専門の「犬医師」

      が存在したとか。また、戦後日本においても青山に低所得の人

      向けに、低い料金で動物の治療を行う施設があったそうですが、
      獣医師会からのクレームを受け、解散したエピソードを
      交え、時に逆行することもあるが、私たち一人一人が
      もっともっと勉強しよう!と力を込めて述べておられました。
      本を読んで、子供にも伝える、日本の基準を世界基準に
      近づけるよう、あきらめることなくトライし続けよう、
      気張らずに、動物に共感しながら相手を思いやる気持ちを
      持ちつつ、自分の意見はしっかり主張しよう。

      「動物愛護はうさん臭い、偽善的」と思われない国に
      するためには、まず私たちが勉強をし、感情的ではなく
      冷静、論理的に考え、行動することが大切だと力説される
      新木さん。

      「強者は弱者を守る責任がある」

      人間と犬との関係に当てはめれば、強者が人間で弱者が犬、
      ドアを次の人のために開けて待つ人は強者で開けてもらう側の
      人が弱者。
      つまり相手を思いやる気持ちを持つ者と持たれる者の関係で、
      人間でも動物でも、相手を思いやる気持ちと気遣いが何より大事
      である、との言葉に大いに頷きました。

      そして、最後に、「リホーミングとは忍耐である」
      と述べられた上で、こう締めくくられました。

      「リホーミングは人間として大変誇るべき行為であり、
       暖かい家、暖かいご飯、新しい命、新しい家を授けることは、
       本当に素晴らしいこと」



      新木さんから、会場に集まった方々に向けて「次に犬を迎える
      場合、レスキュー団体などから犬を引き取るなどリホーミング
      することも選択肢にありますか?」との質問が投げかけられ

      ほとんどの方が挙手で「YES」と応えておられました。

      そして私はといいますと・・・・実は白状しますとその時手を

      挙げることができませんでした・・・・。

      私が挙手できなかった理由、それは次に犬を迎える時、我が家

      は信頼するブリーダーから犬を迎えることになると思われる
      からです。
      これまでに、自ら保護したり、知人が保護した犬を引き取った
      経験はあります。どの犬も素晴らしい犬たちで彼らと過ごした
      時間は私にとって本当にかけがえのない宝です。

      ですが、両親が高齢となった現在の我が家において

      「飼いやすさ」 は、最重要ポイント。
      これはあくまで私個人のごく限られた経験を踏まえての印象

      ですが、 レスキューされた犬の中には、心と体に負った傷

      (トラウマ)が影響して、ちょっとした行動に表れるケースも多々

      あるように 見受けられます。
      比較的簡単に克服できるものから、愛情と忍耐をもって
      時間をかけて克服していくもの、克服が一筋縄ではいかず、
      一生折り合っていかざるを得ないものなどいろいろでしょう。
      新木さんの「リホーミングは忍耐」との言葉には
      そういったことも含まれているのかもしれないと感じました。

      「忍耐」を厭う、もしくは必要な気力・体力・時間を
      持ち合わせていない家庭は、いくら里親となる意志があろうとも
      リホーミングには適さないように私は思います。
      (もちろん、しっかりした保護団体であれば、こういった
      ことをすべて確認した上で譲渡の可否を判断するのでしょう)

      高齢者のいる我が家にとって、精神的に落ち着き、
      基本的なしつけが入った成犬でかつ一般に従順で優しい
      とされる犬種(例えばコリーなど)を信頼できるブリーダーから

      迎え入れることが家族、引いては犬双方の幸せにつながると

      考えています。

      このような考えの私が、リホーミングに関するレポートを書くのは
      それこそ偽善ではないか?という考えが頭をよぎりましたが、
      新木さんに伺った素晴らしいお話をできるだけ多くの方に
      ご紹介したいと思い、思い切ってアップさせていただきました。
      ご了承いただければ幸いですm(_ _)m

       

      以上、(遅ればせながら)「それぞれの動物愛護のカタチ」の

      イベントレポートを3回に分けてご案内いたしました。

      最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

      さまざまな立場で真剣に動物愛護問題に向きあう方々の

      お話を直接伺うことができたことは、本当に貴重な体験でした。

      主催されたnifty社と関係者の方々に心から感謝いたします。

      伺ったお話を自分の中に確実に落とし込み、自分のできることを

      できる範囲で行動し続けていこうと思います。

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