ああ狂犬病・・・・
      2013 / 09 / 25 ( Wed )
      犬への感染は、時間の問題だろうと思っていましたが・・・

      やはり出てしまいましたね

      52年ぶりに狂犬病に感染した動物が発見された台湾。
      今月10日、とうとう感染が犬に拡大したと報じられました。

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      [photo by badjonni]



      狂犬病に感染したのは、イタチアライグマに噛まれた生後1か月半の子犬。
      母犬と屋外で飼われていたところ、8月14日夜イタチアライグマに襲われ、
      9月6日に容体急変、2日後安楽死させられたとのこと・・・。



      今回台湾で発見された狂犬病は、遺伝子からみて、
      中国大陸から持ち込まれた可能性が非常に高く、
      感染経路は野生動物の密輸によるものとの見方が強いとか。

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      [photo by bubbablitz]
           
            「ねぇ、キミを噛んじゃった。 
             だって、ボク気がふれてるんだもん。
             お医者さんに電話してね。
             キミ、狂犬病に感染しちゃったから。」




      野生動物における感染は、おそらく3年ほど前から始まり、
      1~2年の潜伏期間を経て発症した、との専門家の見解が
      報道されましたが、野生動物に広がった狂犬病の撲滅は
      困難を極めることでしょう・・・。

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      [photo by Hugo van der Merwe]

      子供時代、夢に見た光景(いや、実は今でも)ですが、
      リスを含めすべての哺乳類に感染するのが狂犬病・・・。




      ヨーロッパ各国で、野生動物(特にキツネ)間の感染撲滅に
      有効だったのが狂犬病ワクチン(経口ワクチン)を混ぜた
      エサを散布する方法。


      台湾がお手本にしようとしているフランスにおいては毒餌、銃器、
      毒ガスを使ったキツネの狂犬病撲滅作戦の効果は低く、
      撲滅成功に導いたのは、経口ワクチン接種計画とされています。

      確かにまき餌による経口ワクチン接種計画には、莫大なコストが
      かかるようですが、「いつやるか、今でしょ!」
      な状況ですよね・・・・




      52年も狂犬病の封じ込めに成功してきた台湾でのゆゆしき事態は
      同じ島国で、動物の密輸が後を絶たない日本においても
      けっしてけっして「対岸の火」ではありませぬ。
      恐らく私たちが思っている以上に「そこにある危機」なのかも・・・。

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      [photo by Kristin Hillery]

      この近くの歩道で収容されたコウモリが検査の結果、
      狂犬病陽性だったことを知らせる「狂犬病警報」
      このコウモリに触れた人は、州の公衆衛生局に連絡されたし、
      と注意喚起しています。

      アメリカでは特に珍しくはない光景・・・。





      ところで毎年9月28日は「世界狂犬病デー」
      これにあわせて、シンポジウムが開催されますので、
      関心のある方はお運びください。

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      第6回 世界狂犬病デー シンポジウム

      日時:2013年9月28日(土)14:00-16:00(受付13:30~)

      参加費:無料

      場所:T K P 渋谷カンファレンスセンター5 F ( J R 渋谷駅東口より徒歩3 分)
         東京都渋谷区渋谷2-17-3

      講演内容: 1.「世界に広がる狂犬病/ 狂犬病になった犬はどうなるか」
              講師:狂犬病臨床研究会 佐藤克
        
            2. 「世界に広がる狂犬病/ 今年発生した隣国台湾の現状~ 」
              講師:国立感染症研究所 井上智

            3.  「狂犬病は水際でこう守る」
      講師:農林水産省動物検疫所

              ワークショップ( 体験型講座)
      「狂犬病が起きたとき、あなたはどうしますか? 」
      アニコム予防委員会  

      主催:主催:狂犬病臨床研究会
      後援:  厚生労働省 ほか
      詳細は、厚生労働所HPをご覧ください。

      http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou10/12.html





      狂犬病のヒトへの感染・蔓延を防ぐために、
      犬の狂犬病ワクチン接種率を高めるという方策は確かに有効だと
      思われます。(現時点の日本では、猫へのワクチン接種にナーバスになる
      必要はないと個人的には感じます)

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      [photo by WSPA International]
      世界動物保護協会(WSPA)のメンバーが子犬にワクチンを打っているところ。
      WSPAは狂犬病撲滅対策として犬の大量殺処分がなされぬよう、
      バリ島における狂犬病ワクチン接種プログラムを推進しています。






      が、

      個人的に「これってどうなの??」と驚きとやるせなさを
      禁じ得ないのが、高齢犬や重篤な実感を持っている犬へのワクチン接種。



      仕事柄、高齢犬や持病を抱えた子の飼い主さんとお話しさせて
      いただくことが多いのですが、時々「ええっ!!!」
      驚きの声を発してしまうことがあります。

      「ま、まさか・・・狂犬病予防注射されたんですか??」と驚愕する私に
      飼い主さんはきょとん。

      ええ、だって法律で定められていることですし、主治医も特に何も
      言っていませんでしたけど・・・・と。

      いやいやいやいや


      飼い主さんがご存じないのは仕方ないとしても、動物のお医者さん
      であるなら、「狂犬病予防注射猶予措置」なるものが存在することを
      お伝えしてもよかろうに!いや伝えてくださいお願いだから・・・。

      重度の心臓疾患、てんかんを患っている子や、超高齢犬といった、
      重篤な副作用のリスクが高い犬たちに、よく狂犬病ワクチンを
      注射することができたなぁ・・・とただただ驚愕するばかり。

      (犬たち、よくがんばって持ちこたえたなぁ・・・・)というのが
      私の正直な想いです。

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      [photo by ooseends]



      確かに狂犬病予防法では「犬の所有者は、狂犬病の予防注射を毎年一回
      受けさせなければならない。」(第2章第5条1項
      )と規定されていますし、その「猶予措置」
      なるものは法律上どこにも明記されてはいません。

      が、各自治体は現行、副作用の発症歴を有していたり、
      心臓疾患やてんかんの持病ありや老齢や妊娠中の犬など、
      狂犬病ワクチンの予防接種が生命の危険を伴うと獣医師が判断した場合に限り、
      獣医師発行の「狂犬病予防注射猶予証明書」の提出をもって、
      当該年度の予防接種を免除する、という緩和措置を設けてくれています。


      (これは重い持病を抱えた子や高齢犬と暮らす家族にとっては
       本当にありがたい措置です!ぜひお住まいの地域の役所に
       お問い合わせされてみてください。)

      ※ただし、これは長年国内で狂犬病の発生が抑えられている
       現状下だからこその特別対応と捉えるべきでしょう。
       仮に日本が台湾のような状況となった暁には、猶予廃止の
       可能性も十分ありえます。




      当時13歳を超えていたゴン太くんを親戚から引き取って間もない頃。
      ゴン太はそれまで毎年欠かさず狂犬病予防接種を受けてきましたが、
      ちょいと心配なことがあり、近所の獣医さんに「猶予措置」について
      お伺いしてみました。

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      その病院では、老齢であろうと、以前アナフィラキシーショックになった
      前歴があろうと、狂犬病予防接種を勧めるとのこと。
      理由は、「万が一、狂犬病が蔓延したらこの子の命に保証が持てないから。」
      狂犬病に感染するリスクと最悪の場合、感染の有無を問わず未接種犬は
      殺処分の対象となりかねない事態を考慮してのお考えだと感じました。

      人畜共通感染症の予防が重要な職責の一つとされる獣医師として、
      それはある意味あっぱれともいえる方針なのかも?しれません。

      でも、私は即座に転院を決めました。
      10年以上にわたる継続接種で十分な抗体が見込めるゴン太には、
      現行ではワクチン接種の身体へのリスクがより危惧されたからです。


      台湾での一件もありますし、「ワクチン不要!」と声高に叫ぶつもりは
      毛頭ありませんが、ゴン太のように、10年以上毎年欠かさずワクチンを
      接種し続けてきて十分な抗体が見込まれる老齢犬や重篤な持病を
      持つ犬の飼い主さんにはよくよく愛犬の身体的負担、
      副作用のリスクと狂犬病リスクを秤にかけ、
      追加接種の必要性を熟考いただきたいと切に願います。



      以上、長々と書きなぐってきましたが、とどのつまりは、
      このことを伝えたくて今日は狂犬病の記事をアップしたのでした!



      そうそう、余談ですが、モフ男の主治医曰く、混合ワクチン接種の
      時期は、身体的負担の大きい暑い時期は避け、極力
      秋から初冬が望ましい、とのこと。
      空気が乾燥し、ウィルスが活発化する冬のシーズンまでに接種を
      済ませておくのがベター。

      ・・・という説明と共に、「11月に出直して。」と帰されてしまった、
      昨年6月のトホホな私たちでありました。
      (タクシーで通院した意味が、まったくなかった・・・ぐは




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