最愛の友を亡くされた方々へ
      2013 / 09 / 01 ( Sun )
           ひたすらあなたの意思にしたがって生きていた体が、
           かつてはクンクン鼻をならしながら喜んで迎えてくれたのに、
           いまは静かにしている(こんなに静かにしている!)
       
           
           あなたの気持ちの一つ一つに、
           いつも応えてくれた魂が行ってしまった ―
           でも、いったいどこへ ― それも永遠に

           
           あなたはわかるだろう、
           一匹の犬のためにどれほど心を占められることか
           そして、その犬に思いを寄せてあなたの胸は張り裂けるだろう。

                       ラドヤード・キプリング 「犬の力」より

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      [photo by tehzeta]



      冒頭の文は、今日、図書館から借りた「ペットロス・ケア」の中で
      紹介されていた、イギリスの小説家キプリングの言葉です。

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      「ペットロス・ケア」は、31年前にアメリカで出版された
      「PET LOSS」の和訳版。(現在は絶版)

      著者のおひとり、ニーバーグ博士は長年ニューヨークの病院で
      グリーフ(悲嘆)セラピー専門のサイコセラピストを務めた方で、
      本著執筆に際し、多数の医師、獣医師、臨床ソーシャルワーカー、
      哲学博士ら各分野の専門家の協力を得た旨が、謝辞に記されています。

      まだパラパラとページをめくった程度ですが、今日は
      冒頭に文章を寄せたマーチン・スコット・コシンズ氏の
      文章をご紹介します。



      もし、あなたがいつか一匹の動物を愛することがあるとすれば、
      いつまでも忘れられない日が生涯に三日あります。

      その一日は幸福を授けられた日で、幼い新しい友達を家に連れてくる日です。

      (中略)

      次の一日は、最初の一日の八年か九年、あるいは十年後に訪れるでしょう。
      その日はいつもと何も変わらない一日です。
      いつものように事は運び、何も特別ではありません。

      しかし、ある瞬間、ハッとして長年いっしょに暮らした友を見ると、
      そこにはかつての若々しい姿はなく、代わりに老いた友の姿があるのです。
      生命力にあふれる姿の代わりに、ひと足ひと足ゆっくりと足を運ぶ友がいます。
      元気いっぱい動き回っていた友ではなく、
      眠っている姿ばかりが目につくようになるのです。

      そこで、あなたは友の食事に気をつけるようになり、
      食べ物のなかに、一、二錠の薬を混ぜることもあるでしょう。
      そして、心の奥に湧き起こる恐れに気づくでしょう。
      その恐れは、やがて訪れる空虚感の前兆です。
      それからは、その不安な感情が現れたり消えたりしながら、
      ついに第三の日を迎えることになるのです。

      そして、その最後の日を ― 友自身も神も、あなたに代わって
      決めなかったのであれば、そのときはあなたが自分で決断を下す
      場面に直面することになります―人生を共に歩んだ伴侶のために、
      心の奥底の声に導かれて。

      しかし、神の意思にしたがったのであれ、あるいはあなたの決断の
      結果であれ、友がついにあなたを残して旅立ったとき、
      暗い夜空にたった一つ光る星さながらに、あなたは孤独になるでしょう。

      あなたが賢明な人なら、涙が流れるにまかせておき、
      泣きたくなったら何度でも泣くでしょう。

      そして、あなたが典型的なペットロス体験者であれば、
      家族や友だちなど周囲の人のなかで、
      あなたの深い悲しみを理解してくれたり慰めてくれる人が、
      けっして多くはないことを知るでしょう。

      しかし、喜びに満たされた長い年月、
      ずっとかわいがってきたペットへの愛に誠実であれば、
      その後の孤独な日々にあっても、ときどきは、一つの魂
      ― あなたの魂よりわずかに小さいけれども―
      が自分といっしょに歩いているような気がすることもあるはずです。

      何の変哲もない日常のなかで、何かが足をかすめる気配を感じる
      かもしれません ― そっとそっとかすめる気配を。

      そして、いとしかった友が、おそらく何ものにも代え難くいとしかった友が、
      いつもいた場所を見るにつけ、重大な三日間が思い出されることでしょう。

      その思いはきっとつらいものであり、
      あなたの心に痛みを残すでしょう・・・・。

      痛みは、まるで一個の生き物のように、時の流れのなかで消えたかと
      思えば、また立ち現れます。
      あなたはその痛みを拒絶することもあれば、
      受け入れることもあり、そのために混乱させられるかもしれません。

      拒絶すれば、あなたは憂鬱になるでしょう。
      受け入れれば、あなたは痛みに貫かれるでしょう。
      いずれにしても、痛みは、あくまで痛みなのです。

      しかし、間違いなく第四の日がやってくるはずです
      ― その日は、ペットの思い出とともに、重い心を貫いて、
      あなただけの前に立ち現れるのです。

      愛し、失った動物とのつながりは、何ものにも代え難く強いものです。
      同様に、第四の日も、何ものにも代え難く鮮やかに実感されます。
      その実感が形を取って、生きている愛になります。

      花びらがしおれたあと、なおも漂うかぐわしいバラの残り香のように、
      その愛はいつまでも消えることなく、いっそう豊かになっていきます。
      そして、私たちが思い出すのは、そこに現れる愛なのです。

      その愛は私たちに与えられたご褒美です。
      ペットがこの世を去るとき、私たちに残してくれる遺産です。
      そして、生きているかぎり、そばに置いておくことのできる贈り物です。
      その愛を、私たちは自分だけのものにできます。

      私たち自身がこの世を去り、最愛のペットといっしょになれるときまで・・・・。
      その愛を、私たちはずっともちつづけるのです。


                      マーチン・スコット・コシンズ




      この文章と巡り合えただけでも、この本を手にとった甲斐があった、
      と思いました。

      本当に胸にしみるメッセージでした。


      正直に白状しますと、私個人は「ペット」を喪失対象から一種
      線引きしている感が否めない「ペットロス」という言葉に
      どうしても違和感を覚えます。

      現在は、ペットロス関連の書籍があまた出版されていますが、
      ベリー亡き後、自ら手にした関連本は、こちらがはじめてでした。


      「ペットロス・ケア」は未読ですのでまだ内容についてはわかりませんが、
      E. キューブラー=ロス博士の「悲嘆のプロセス」のペット版に
      近いのかな?という印象です。

      もしシェアしたいと思える内容がありましたら、いつかこの場で
      ご紹介させていただきます。

      (※ご興味のある方には申し訳ないのですが、「悲嘆のプロセス」的な
        内容であった場合はご紹介は見合わさせていただく予定です)



      本日は、コシンズ氏の静かに胸奥深く語りかけるような文章を、
      どうしてもみなさんとシェアしたく、急ぎブログアップさせて
      いただきました。


      最愛の友を亡くされた方々のお心に届くことを祈って・・・。



      (おまけ)

      謝辞の中には、アメリカの野生動物写真家、執筆家であり、
      テレビのパーソナリティーも務めたロジャー・カラスの名前がありました。
      (世界三大ドッグショーの一つ、ウェストミンスター展の
       ホストとしても知られた方です)


      彼は、犬にまつわる数々の名言を残したとされますが、
      今日はその中から二つご紹介してお別れです。



      犬は我々の人生のすべてではない、
      が、人生を完全なものにしてくれる。

      “Dogs are not our whole life, but they make our lives whole.”





      犬を1頭も飼っていないからといって、別にあなたに悪いところが
      あるわけではないが、あなたの人生にとっては問題かもしれない。

      "If you don't own a dog, at least one,
       there is not necessarily anything wrong with you,
       but there may be something wrong with your life"


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      How true!




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