またね、大ちゃん
      2013 / 08 / 06 ( Tue )
      毎週水曜、金曜そして隔週の木曜は、
      「みーちゃん&大ちゃんの日」。

      柴犬の双子、大地くんと水木ちゃんのお世話に
      伺うようになって約2年半。

      昨年5月にみーちゃんが17歳で旅立ってからは、
      お母さんと「ほぼひとりと一匹」の生活だった大ちゃん。
      その暮らしは、1年3ヶ月続きました。


      「この5日、眠ってばかりで食べ物を口にしないんです。」

      お母さんからお電話をいただいた5日後に、大ちゃんは
      大好きなお母さん、お父さんに見守られる中、
      おうちで息を引き取りました。
      18歳と3ヶ月23日。
      私を含め、愛する犬と暮らす多くの人が心から願ってやまない、
      穏やかで自然な最期だったようです。


      旅立つ5日前、大ちゃんのお見舞いに伺いました。
      お母さんのお話のとおり、すやすやとそれは気持ちよさそうに
      軽く寝息をたててぐっすり寝ている大ちゃん。
      「爆睡王子」のあだ名のとおり、眺めているこちらが癒される
      寝姿でした。

      ちょうど私がおいとまする間際にモゾリお目覚め。
      お母さんに抱っこされ、一緒に門の外まで私をお見送りしてくれました。

      私は大ちゃんの前足をとり、言いました。


      「またね、大ちゃん。」


      またね、大ちゃん・・・・。



      だいぶ前のこと、17歳の愛犬を介護の末見送った友人が
      こんなことを言っていたのを思い出します。

      「愛犬が年老いて、食事を受け付けなくなり、痩せ細っていくのを
       見るのは辛いけれど、それはけっして悪いことではない。
       体を軽くして、負担なく楽に旅立つため、自然に還るために
       必要な過程だったのだと思う。」と。


      実は、当時の私には、彼女の心境はわかりえませんでした。
      でも、今はやっと少しだけ理解できる気がします。

      そして思うのです。
      その心境にたどり着くまでに彼女がどれほどの葛藤、不安、悲しみ、
      恐怖や罪悪感、そして時にぶつけようのない苛立ちと対峙する
      日々を送ってきたのか。
      人知れず、否、愛犬にさえさとられぬよう一人涙を流し過ごした
      眠れぬ日々。
      それらを経た末に、到達した感慨だったのではないかな?と。

      愛犬の介護とは、時に自分と向き合うことでもあるのだと
      感じる日々です。


      4年前、介護中のご家族のわずかなりともお役に立てればと
      チームウィルを立ち上げましたが、私達がサポートして
      差し上げられることなどごくごく僅か。

      反対に、高齢犬やご家族から教えていただくことの
      なんと多いことか・・・。
      その最たる相手が、水木ちゃんと大地くん兄妹と、彼らのお母さんでした。


       
      大ちゃんとお散歩に出ると、道行く人々が声をかけてくださいました。

      「がんばってるね!えらいね!!」

      そのたび、私は胸を張って、思い切り大ちゃん自慢するのが常でした。

      はい、がんばってます!!!

      その気持は、大ちゃんが歩けなくなってからも変わりませんでした。


      (ゆっくり、ゆっくりでいいよ、大ちゃん。)


      お散歩やお世話の間、何度も何度もかけた言葉。



      若かりし頃、「健康が毛皮を着ているようだ。」とじーじに称された
      大ちゃんは、老いてなお心臓も内臓もしっかりしていた
      あっぱれご長寿犬でした。

      その最期もまた、これ以上ないパーフェクトなタイミングを選んで
      旅立ったとしか思えない、望むべくもない見事な
      幕引きだったと感じます。


      私には、母犬のエルザちゃん、妹の水木ちゃんから託された
      ミッションを、しっかり果たしきって旅立ったように思えます。


      大ちゃん、2年半を、かけがえのない経験と時間をどうもありがとう!
      私は大ちゃんが、愛おしくてたまらなかった。

      だからいっちゃんは、敢えて言う。


      またね、大ちゃん!

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            愛しき大地は、春になればいたるところ花咲きみだれ、
        
            新緑に萌えいずる。
          
            いたるところ永遠に、遥か彼方まで蒼く輝く

            永遠に、永遠に・・・。

                    (G.マーラー「大地の歌」第6章 別れ より)


            Die liebe Erde allüberall Blüht auf im Lenz
            und grünt aufs neu!
            Allüberall und ewig Blauen licht die Fernen!
            Ewig... ewig...

                 G. Mahler “Das Lied von der Erde-Der Abschied”










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