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      胃拡張・胃捻転症候群(GDV)について
      2011 / 02 / 24 ( Thu )
      先日お泊りしてくれたななちゃん、実はとっても早食いさん!
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      ザ・早食いクイーン


      お泊りの子が、超早食い王(クイーン)の場合、状況によって
      スローペースで食べてもらえるよう工夫します。

      早食いによる咳き込みや、嘔吐などを防ぐ目的ももちろんありますが、
      一番の目的は胃拡張・胃捻転症候群(GDV)予防。
      ゲストがシニア犬、大型犬の場合は特に注意を払います。

      ボウルに数粒づつ入れ、食べたらまた追加・・・を何度か
      繰り返すこともあります。

      一番手っ取り早いのは早食い防止用ボウルであげること
      でしょうか。(上の写真でななちゃんが使っているボウルです)

      いろいろなタイプの容器が販売されています。
      ちなみにチーム・ウィルで使用しているのはこちら。

      エイムクリエイツ ゆっくり食べれる食器
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      食べづらくするための突起が内側側面と真ん中につけられています。
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      底に滑り止めがついているので、滑りにくくグッド♪

      アマゾンや楽天などでも購入できます。
      お値段もお手頃ですし、なかなかオススメ。



      ドライ系フードでしたら、大き目のビニールシートに、少しずつ
      ばらまいてあげるとフンフンお宝探しのように食べてくれます。
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      嗅覚遊びが好きな子の場合は、脳トレも兼ねてコングなどを
      使ってもグッドですね。
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      コングのタイプもさまざま。
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      ごはんタイムに使うのであれば、フードが出やすいタイプを使って
      あげるとよさそうです。(写真では赤か円盤型)


      右の紫色のコングは、底の穴に弁がついているので中にいれたものが
      出にくいです。(コング遊びが得意な上級者向き?)

      左の赤いコングは、底の穴からフードが出やすいタイプ。
      (こちらはコング初級者向けかな。)
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      大き目の箱に障害物(テニスボールなど)を入れてフードを
      ばらまいても、よいですね。
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      GDV(胃拡張・胃捻転症候群)発症の危険因子を調査した
      パデュー大学のグリックマン博士は、太く長いチェーンを入れる
      アイデアを提案されています。
      ※いずれも誤飲の危険がないよう中に入れる障害物の
       大きさには気を配り、常に側で見守る必要があります。

      ちなみにボール遊びが大好きな子には向きませんね(^_^;)


      小さな容器にフードを入れて、部屋のいろいろなところに
      容器を置いて「宝探しゲーム」感覚であげてみても楽しめる
      かもしれません。
      こちらなら、ウェットタイプのごはんもOK!
      (ただし、あまり広範囲に置かないことがコツ)
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      「胃拡張・胃捻転症候群(GDV またはBloat)」とは、
      なんらかの原因で胃にガスなどが充満し、パンパンに膨れあがって
      (胃拡張)それがねじれ(胃捻転)、治療が遅れると全身ショック状態
      となり、命を落とすリスクがかなり高いといわれる病気(症状)です。

      このGDVに関しては、2000年にJournal of the American Veterinary
      Medical Associationに発表された米パデュー大学獣医学部の
      グリックマン博士らによる調査報告が広く知られています。
      ※ちなみにパデュー大学(Purdue University)は昨年ノーベル化学賞を
       W受賞された根岸教授が在籍される大学。


      長らく「治療」に重きを置かれていたGDVの「原因」にはじめて
      視点を当てた調査とあって、好発犬種(多くが大型・超大型犬)の愛犬を
      持つ人々の間でも大きな反響を呼びました。
      報告書の内容を日本語で詳しく紹介してくれているサイトもいくつか
      ありますので、ご興味のある方は「胃拡張・胃捻転 GDV」で
      検索してみてくださいね。

      調査チームが提案する予防策も掲載されています。
      (以前は、パデュー大学のサイトから調査報告書にアクセスできたのですが、
       現在ではヒットしないようです(>_<))

      ちなみに博士らが、GDVのリスクファクター(危険因子)として
      挙げているものをごく簡単にまとめますと・・・。

      1. 高齢(加齢)
      2. 血縁(親、兄弟など一親等の血縁にGDV歴を持つ犬がいる)
      3. 胸部が狭く腹部が深い体型の犬
      4. 痩せた体型
      5. 1日1回の食餌
      6. 性格が怖がり・不安症、ひどく興奮しやすい犬
      7. 食餌を床より高い場所で与えられている犬
      8. 早食いの犬

      ※上記はあくまで5年間の追跡調査(聞き取り方式)に基づき
       導かれたリスクファクターであり、GDVの発症原因はいまだ解明
       されていません。

       
      今日は、この中の「高齢」「ストレス」「早食い」をピックアップ
      したいと思います。


      まず、「高齢」ですが、 Larry Glickman 博士によると、
      一歳年を重ねる毎に発症リスクは20%高まると(!)

      大型犬ではGDVの発症が3歳から大きく増加し、超大型犬ではもっと
      早い年齢から始まると述べられていました。

      そして、靭帯は加齢によって弱るとされ、弱まると伸びる→
      胃を支える力が弱まる→捻転を起しやすくなるというメカニズム。

      余談ですが、「マーリー、世界一おバカな犬 」のマーリー(ラブ)も、
      高齢になってGDVを何度か繰り返し、映画では最後はマーリーを
      苦しみから解放するため安楽死を選択した経緯が描かれていましたね。



      次に「ストレス」

      犬の気質においても怖がりの犬ほどGDVのリスクは高く
      ハッピーでおおらかな犬ほどリスクが低い結果がはっきり表れたそうです。
      Glickman博士曰く、犬にかかるストレス自体よりも、犬の身体が
      そのストレスにどう反応するかがポイント、と。
      怖がりな犬は、陽気でハッピーな性格の犬に比べてストレスに対する
      生理的反応が違うケースがあり、この生理学的反応が、胃の捻転に
      関与しているのではないか?とのこと。

      お泊りは、大好きな家族から離れ、大きなストレスがかかる状況。
      神経質、怖がりな性格の子の場合は特にストレス緩和と食事に
      注意を払っていく必要性を感じています。


      最後は「早食い」について。
      調査の結果、大型犬においては食べるスピードが速い犬の方が
      そうでない犬よりGDV発症のリスクが高かった事が判明したとか。
      (超大型犬は逆)

      早食いする犬の場合、食べるスピードを遅くする工夫をした方がよい、と。
      ガツガツ食べることにより、空気も一緒にのみこみ、それがGDVの
      リスクが高くなることと関係しているのかもしれないと博士。
      (ただし、これは食後すぐにGDVが起きていないことを考慮すると
       つじつまが合わない部分が残るとも述べています。)


      明確な原因が解明されていないGDV。
      大型犬・超大型犬の発症が多数報告されていますが、
      犬種、大きさを問わず突然発症する子もいます。
      (高齢犬にその傾向あり)

      私は、愛犬が好発犬種のコリーということもあり、GDVが本当に
      怖かった・・・。
      万一、夜中に発症したら、まず助からないだろうと考えていました。

      複数の要因が複雑に絡み合って発症する可能性が高いとされるGDV。
      未だこれだ!という原因が判明してはいませんが、シニア犬の
      飼い主さんには犬種を問わず、普段から予防について頭に入れておいて
      いただければいいな、と思い記事をアップした次第です。


      余談ですが・・・・。

      発症したら、時間との勝負とされるGDV。
      アメリカでは、獣医がつかまらないなど、やむにやまれぬ場合に
      飼い主が応急処置するためのキットが販売されています。

      BloatKit.jpg

      こちらのキットは獣医師監修のもと作られたものだとか。
      売上は、コリークラブアメリカ基金の収入になります。
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      購入先:Collie Health Foundation

      chflogoshort.jpg
      ロゴがすごく可愛い・・・


      何より大切なのは「すぐ獣医師へ連絡すること
      キットは、搬送できる獣医師が見つからない、通院に最低でも
      20分以上かかりそう・・といったどうしようもない場合にのみ
      使用を検討すべきとあります。

      その場合は、一人がキットで応急処置している間、家族が運転して病院に
      車を走らせることができたらベストですよね。
      実は、私もこのキットの購入を検討しましたが、普段から
      主治医にしっかり使い方と注意点をレクチャーしてもらわないことには、
      イザという時、絶対使えないと思いました。
      愛犬の命のかかる場面で、気がはげしく動転している中、やり慣れない
      作業を正しく行えるでしょうか?

      獣医師や経験豊富な方はひょっとしたら
      「ホースを口に入れてガス抜きすればOK」などとおっしゃるかも。
      が!慣れない人が知識もなく試みるのは無謀です、いや無理です(>_<)。
      キットを入手される前に、万が一の対応を含め、主治医に事前相談
      されることを強くおすすめします。

      先のGlickman博士らによれば、GDVの7割は深夜または早朝に発症
      したのだとか。(ちなみにGDVに伴う死亡率は29%)
      かかりつけの病院が深夜も急患を受け付けてくれるか、ダメな場合は
      他に搬送先があるか、愛犬が元気なうちからリサーチしておくのは
      とても大切です。

      愛犬を亡くしてしまった今、後悔と共に痛感するのがこのことです。


      話がずいぶん飛んじゃった・・・。
      今日は早食い防止対策がメインのはずだったのに。


      長文に最後までお付き合いいただいた方、ありがとさんです!







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