亡き犬を悼む言葉
      2011 / 01 / 13 ( Thu )
      愛犬を亡くした人々の言葉に、
      慰めや気づきを得ることがあります。

      今日は、そんな言葉のいくつかをご紹介します。

      女優、野球選手、詩人、小説家、ドッグトレーナーなど
      いわゆる著名人と言われる方々によるものですが、
      愛する犬の死を悼む気持ちは、国、時代、職業を問わず
      私たちと変わりないことに改めて気付かされます。



      我が家には、アップルという名の13歳の犬がいました。
      歯はすべて抜け落ち、目も見えず、息はスターウォーズの
      「ジャバ・ザ・ハット」ほどではないにせよとてもひどいものでした。
      でも、アップルは私達にとって、最高の犬だったのです。
      彼が死んだ時、私は泣いて泣いて泣き続けました


      マーリー・マトリン(1965.8.24 -     )
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      アメリカ人女優。
      初出演作『愛は静けさの中に』にて史上最年少(当時21歳)で
      アカデミー主演女優賞を受賞

      We had a dog, Apples. He was 13 years old, toothless, blind
      and had the worst breath this side of Jabba the Hut.
      But he was the sweetest dog, and I cried and cried when he died.

      Marlee Beth Matlin



      愛する犬は、決して死なない。
      彼は常にそばにいるのだ。
      地面に霜が降り、冬が近づく冷たい秋の日も、
      あなたに寄り添って歩いている。
      彼の頭は、飼い主の手のひらにすっぽり収まっている。
      これまでずっとそうしてきたように。

      メアリー・キャロライン・デイヴィス(アメリカの女流詩人)


      A good dog never dies. He always stays.
      He walks besides you on crisp autumn days
      when frost is on the fields and winter's drawing near.
      His head is within our hand in his old way.

      Mary Carolyn Davies



      思うに、ぼくたちは犬を「所有」しているのではなく、
      (神様から)お借りしているのだ。
      だから長い間お貸しいただけたことに感謝すべきではないだろうか。

      ジョー・ガラジオラ( 1926.2.12 -     )
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      アメリカ大リーグ選手、のちに野球解説者としてテレビで活躍

      I guess you don't really own a dog, you rent them,
      and you have to be thankful that you had a long lease.

      Joe Garagiola




      坂道のてっぺんに、ルークの墓碑がある。
      そこは牧草地が広がり、夕日が墓碑に刻まれた言葉を照らしだす場所。
      『もうじゅうぶんよ、ルーク。じゅうぶんやったわ。』
      作業が終わり、家畜の群れが集まった時、世界中で作業犬にかける言葉だ。

      『もうじゅうぶんやったわ。さぁ家に帰りましょう。
       お前の仕事は終わったのよ。』

      ルークもまた彼の仕事を終えたのだ。
      彼は私の心と共にあり、今でも走り続けている-速く、力強く。
      私の心の一部は、彼のハートと固く結びついている、永遠に・・・。


      『For the Love of a Dog』より
      パトリシア・マコーネル
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      アメリカの動物行動学者、執筆家。犬のトレーニングに力を注ぐ


      There's a stone I had made for Luke at the top of the hill road,
      where the pasture opens wide and the setting sun highlights the
      words carved into its face. "That'll do, Luke, that'll do."
      The words are said to working dogs all over the world when the
      chores are done and the flock is settled: "That'll do dog,
      come home now, your work is done." Luke's work is done too.
      He took my heart and ran with it, and he's running still,
      fast and strong, a piece of my heart bound up with his, forever.

      Patricia McConnell 



      つい先ごろ、彼の写真をふと見つけた。
      黒い顔、空にただよう臭いをクンクン嗅いでいる長い鼻、
      ピンとまっすぐ立った尻尾、目は一瞬の興奮にきらめいている。
      40年以上も前に撮られた色あせた写真を見つめながら、
      僕は大人になった今も、いまだに彼を恋しく思っていることを認めた。


      少年時代の愛犬は、友情、愛そして死について多くのことを教えてくれる。
      年老いたスキップは、僕の兄弟だった。
      死んだスキップを、ニレの木の下に埋めたと大人は言った。
      でも、それは真実じゃない。
      なぜなら、スキップは僕の心の中で静かに横わたり、埋葬されたのだから。

      共に自伝的小説「マイ・ドッグ・スキップ」より

      ウィリー・モリス(1934.11.29 — 1999.8.2)
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      アメリカの小説家、編集者

      I came across a photograph of him not long ago... his black face,
      the long snout sniffing at something in the air, his tail straight
      and pointing, his eyes flashing in some momentary excitement.
      Looking at a faded photograph taken more than forty years before,
      even as a grown man, I would admit I still missed him.


      The dog of your boyhood teaches you a great deal about friendship,
      and love, and death: Old Skip was my brother.
      They had buried him under our elm tree, they said — yet this wasn't
      totally true. For he really lay buried in my heart.

      Willie Morris

      ※「マイ・ドッグ・スキップ」は1999年に映画化され日本でも公開。
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      次は、イギリスのノーベル文学賞作家ジョン・ゴールズワージーの
      エッセイ「思い出」から。(John Galsworthy: Memories)

      スパニエル犬クリスとの出会いから別れまでの出来事が時にユーモラスに、
      時に愛情いっぱいの筆致でつづられる「思い出」の末尾は、次の一文で
      結ばれています。

      “No stone stands over where he lies. It is on our hearts that
        his life is engraved.”

       彼が眠る場所に墓碑はない。
       彼の一生は私たちの心の中に刻まれている。

      ジョン・ゴールズワージー(1867.8.14 - 1933.1.31)
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      ※思い出(原題:Memories)は、こちらで原文(全文)をお読みいただけます。
       Memories


      前回ご紹介したランプマン、前述ウィリー・モリス、そしてゴールズワージーと
      みんな同じことを言っているのですね。

      私は、「愛する犬は死なない、彼らを愛する者たちの心の中で
      これからも共に生き続ける」というメッセージを反芻しています。



      さぁ、今日は旧約聖書のヨブ記でお別れです。

         
           動物たちに尋ねるがよい、教えてくれるだろう。
           空の鳥もあなたに告げるだろう。
           大地に問いかけてみよ、教えてくれるだろう。
           海の魚もあなたに語るだろう。
           彼らはみな知っている。
           主の御手がすべてを造られたことを。
           あらゆる生物および人の生命が
           主の御手の内にあることを。

                       ヨブ記  12章7節 - 10節
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      [photo by digantada]


      天国が存在するのかどうかはわかりません。
      ただ一つ言えるのは、もし善きものたちに天国が用意されているのなら
      私たちの愛する犬が天国に行けないはずがない、ということ。




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      by: * 2011/01/17 23:08 * [ 編集 ] | page top
      --はじめまして--

      2年ほど前の記事なので
      コメントを残すのはどうかと
      思ったのですが、愛犬を亡くされた方にかける言葉を探していて
      ここの記事にたどり着きました。

      その方に自分のブログの
      コメント返信欄でメアリー・キャロライン・デイビスの言葉をご自身が訳されたものだと知らずに
      紹介してしまったのですが
      良かったでしょうか?

      事前に承諾を取るべきでした。
      本当に申し訳ないです。







      by: コケモモ * 2013/02/15 02:59 * URL [ 編集 ] | page top
      --お礼--

      コケモモさま、

      はじめまして。
      ご丁寧にもお知らせいただき、どうもありがとうございました!

      愛犬を亡くされたお知り合いの方に、
      稚訳をご紹介くださったとのこと、
      こちらこそ、ありがたい気持ちでいっぱいです。

      当記事は、最愛の犬を亡くした自分のため、そして、
      同じように悲しみの中にいらっしゃる方の心にわずかなり
      とも届けば・・・との思いでしたためました。

      拙い訳で心苦しい限りではありますが、貴ブログのコメント欄で
      ご紹介いただき、これほど嬉しいことはありません。
      本当にどうもありがとうございました。

      そして、愛犬を亡くされたお知り合いのお悲しみが、
      少しでも和らいでくれますよう心から願うばかりです。


      by: だい * 2013/02/15 11:06 * URL [ 編集 ] | page top
      --こんばんは--

      返信ありがとうございます。
      我が家にも今年13歳になるワンコがいるので
      とても胸に響くものがありました。

      本当にありがとうございました。
      by: コケモモ * 2013/02/15 23:34 * URL [ 編集 ] | page top
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      by: * 2016/04/03 14:15 * [ 編集 ] | page top
      --Kさまへ--

      Kさま、

      ご丁寧なコメント、こちらこそどうもありがとうございました。

      諸々の思いが溢れでて、書いては消し、書いては消し・・・を繰り返されたことと
      お察しいたします。
      そのような状況にあって、コメントいただけ本当に嬉しかったです。

      「足元に彼女の存在を感じます。
      いつか彼女の残してくれた「繋がり」に気づく日まで立ち止まったり
      寄り道したりしながら頑張りたいと思います。」

      このお言葉に、私の方こそ励ましをいただいた気がしております。

      そして、しっかり存在を感じとってもらえるくーこちゃんを幸せな子だなぁ、と
      思いました。

      しっかり繋がっていますね、Kさんとくーこちゃんは。
      私もそうありたい、そうあろうと思いつつ・・・。

      私はKさんのブログから、気づきや励ましをいただいています。
      くーこちゃんに感謝です。
      by: だい * 2016/04/03 21:21 * URL [ 編集 ] | page top
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