せつない
      2016 / 11 / 13 ( Sun )
      昨日、デイケア組のKちゃんと近くの商店街を歩いていますと、
      彼がお父さんとこの界隈をお散歩していた頃からの昔馴染みの方々より
      次々お声がけいただきました。

      (Kちゃんは、このお近くで10年間お父さんと暮らしていましたが、
      4年ほど前にお引越し)

      懐かしい面々との再会を喜んでいる最中、Kちゃんがハッ!!と何かに
      吸い寄せられるように視線を向けたのがわかりました。

      最初、お散歩中のワンちゃんでも来たかな?と視線を追うと
      スラリと長身でサングラスを召された男性が歩いていらっしゃるのが
      見えました。

      Kちゃんは、男性が通り過ぎた後も、じいっと後ろ姿を見送っていました。


      そばにいらした昔馴染みMさんも、合点がいった表情でした。

      そして優しく、なだめるように、おっしゃいました。



      「Kちゃん、お父さんは、もういないのよ・・・・・。」



      私はなんともいえない気持ちで、その言葉を聞いていました。


      でも、おそらくKちゃんはわかっている。
      お父さんとは、もう会えないことを。
      私は内心、そう思っていました。

      きっと、私たちと同じだ。
      亡き最愛の存在とよく似た面影を持つ相手に
      つい見入ってしまう私たちと同じ、と。

      いや、そう思いたかったのかなぁ・・・。


      夕方のお散歩終盤。

      Kちゃんは、迷わず前のおうちにスタスタスタ。
      お父さんと10年間暮らしたおうちの階段をタターッとあがって
      入る!と動きません。

      そのことを、現在のママ(お父さんお嬢様)にご報告しますと
      ママさんがぽつりおっしゃいました。

      「あそこに行けば、父に会えると思っているのかしら・・・。」


      なんともいえない切なさが、こみ上げました。

      私たちには、本当のところはわかりません。

      でも、できるならKちゃんが淡い期待感からではなく、
      長年の習慣で足を向けているのであれば、どんなにいいかなぁ・・・・と
      思ってしまいます。

      おうちの入り口前で、頑として動かないKちゃんに心の中で
      語りかけていました。

      (お父さんは、ここにはいらっしゃらないんだよ・・・・・。)


      しばし無言の押し問答の末、やっと諦めたKちゃんがとぼとぼ
      階段を下りてきてくれました。


      もしこの光景をお父さんもご覧になっているとしたら、
      それもまたせつないなぁ・・・・と思った夕方。
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