憶ふ
      2016 / 09 / 16 ( Fri )
      ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)氏の長男、一雄さんが
      著された父への思慕にあふれた著書(現在絶版)より。

      八雲氏は、一雄さんがまだ10歳の時に突然ご自宅で急逝されたことを
      はじめて知りました。
      ご自身もそう長く一緒にいられないことに、うすうす勘付かれていらした
      ようで、長男の一雄さんを厳しく(特に勉学面で)教育されていたそうです。

      一雄さんの手記から一部ご紹介します。
      とりわけ末尾の一節に、私は心から同感します。



      誰か大事な存在が亡くなった時、
      その肉体はもうどうやっても取り戻すことができませんが、
      その誰かが灰になった後も、面影は残された人のそばを去らず、
      世界中にゆるやかに広がっていくものだということを
      語りかけているように思います。

      それは、そっくりな誰かに出会うということとは別の
      (そうそういるものではありません)、もっとかすかな、
      しかし、どこにいても、同じ生き物でなくても、もしかしたら、
      ただ、音や色のようなものでも、面影がよぎって懐かしい。そういう感覚です。

      そして、それがある限り、ある意味永遠に悲しいのですが、
      しかし、誰も愛していないという寒々しい孤独からは、
      包まれて守られ続けるのです。

                     小泉 一雄著 『父「八雲」を憶ふ』 より


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