愛馬エルのこと
      2016 / 08 / 31 ( Wed )
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      若かりし頃@乗馬クラブ





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      2005年初夏(18歳)

      埼玉の養老牧場から、現牧場に転厩して3ヵ月後くらい。





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      2008年2月10日(20歳)



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      馬の歯医者さんと。




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      2011年1月19日(23歳)
      そろそろ夕飼の時間かなぁ・・・・





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      2013年8月17日(26歳)

      やおら元気に走り始めるの図。
      普段走ることなど滅多にないのに、私に元気なところを見せたくて
      はりきったのでは・・・とはHiromi&Genさん談。





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      同上
      おじさん、アブ発見。




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      退治!




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      2014年3月16日(26歳)

      ご近所の農家さんから差し入れいただいた
      葉っぱつき人参をいただきまーす。





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      2015年5月10日(28歳)
      ゴッドハンドな削蹄師さんに削蹄いただいているところ。





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      2016年8月9日(29歳)

      ガールフレンドの、どんぐりと。

      どんちゃんは、なぜかこのおじーちゃん馬が大好きで、
      彼の姿が見えないものなら大騒ぎ。
      だから放牧は、いつも2頭近くに。






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      「この馬に何か起こっても、私に悔いはない。
       これだけの環境で長年余生を送らせてあげられたのだから。」




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      ずっとそう思っていましたし、周囲に公言もしていました。

      実家から車でものの10分程で会いにいける恵まれた距離にありながら
      顔を見にいくのはごくたまに、気が向いた時くらい。

      「便りのないのは良い証拠」と、愛馬の様子伺いすらしませんでした。





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      「生き物の命を引き受けるって、そんなもんじゃぁないよなぁ。」

      おじさんの声を、聞いた気がしました。







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      台風接近が報じられた一昨日の2016年8月29日19時26分、
      愛馬エルグランツ(愛称エル)は、29歳4ヵ月の生涯を終えました。
      大きな病気ひとつせず、前日まで元気で食欲旺盛、
      最期も傍目には暴れたり苦しんだ様子もなく、
      かすり傷ひとつない綺麗な体で逝ってくれました。
      本当に孝行ものでした。




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      美しい馬でした。

      大きな体格ではないものの、バランスが良く馬場では大きく見せました。
      若い頃は、豊かな毛量の見事なしっぽが自慢でした。
      夏場のベルベットのように滑らかで光沢ある皮膚も自慢でした。
      時にみせる、おぼこいお顔が、好きでした。






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      乗用馬としての彼は、いわゆる「敏感な馬」「軽い馬」でした。
      鞭も拍車も厳禁。

      「大丈夫、大丈夫だよ」

      いつもエルに声をかけながらの騎乗でした。

      そして一昨日も。


      エルに私の声が、思いが届いていたと信じたい・・・。



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      獣医さんが最後の処置をしてくださっている間、
      横臥した彼の右目を軽く手で覆い、大丈夫、大丈夫と
      声をかけ続けました。

      まもなくして、私の手に、「コトン」と命がこと切れた瞬間が伝わりました。

      嗚咽しながら、私はあの声を反芻していました。


      (生き物の命を引き受けるって、そんなもんじゃぁないよなぁ。)

      あれは、おじさんの言葉じゃない。

      私自身の内なる声、良心の声でした。




      遠くから愛馬に会うため、足しげく通うオーナーさんが多い中、
      ただ一頭オーナーの来訪がないおじーちゃん馬を、おじさんも、
      おじさんからお世話を引き継いでくださった方々も不憫に思い、
      採算度外視で目をかけてくださったのではと思い至りました。


      薄情なオーナーに引き取られはしましたが、この馬は本当に周囲に
      恵まれました。
      心から慈しみ、愛情と手間を惜しまず注いでくださる優しいホースマンに
      見守られ、のんびり平和にストレスとは無縁の余生を送ることができました。

      この牧場で、穏やかに最期を迎えさせてあげられて本当によかった。
      それが、私の救いです。


      思いが千々に乱れ、なかなか文章にまとまりませんが、
      あの日、牧場に駆け付けた私をはっきり認識し、鼻を鳴らし、
      持参したスイカを横臥したまま前歯でかじり、かじり食べ、
      私の姿が視界から見えなくなるや頭をもたげて探し、
      濡れタオルで顔を拭くと気持ちよさげにゆっくり目を閉じた馬は、
      まぎれもなく私の馬でした。

      エル、すまなかった・・・・。
      よく、がんばってくれたね。



      牧場主のおじさん、おばさん、Hiromiさん、Genさん、装蹄師の大山さん、
      獣医師の先生がた、度々私に代わり様子を見に行ってくれた母、
      牧場を紹介くださったYさん、そしてアグネス、どんぐりをはじめ厩舎仲間たち。

      エルが本当にお世話になりました。
      この素晴らしい環境で11年7ヵ月間のんびり過ごすことができたエルは
      幸運でした。




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      広いのどかな牧草地で、のんびり草を食んでいる姿を想像するたび
      ほんわか穏やかな気持ちになりました。
      エルが元気でいてくれたから、
      皆さまがそれを支えてくださったから、安心して東京で
      仕事をすることができました。
      本当にありがとうございました。


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