フォーラムレポート -肥満について考えよう-
      2012 / 10 / 12 ( Fri )
      今日こそ、先日参加した「どうぶつとの暮らしを考えるフォーラム2012」の
      レポートをば。

      台風の影響で?全体的に例年より来場者がかなり少ない印象を受けた
      今年のフォーラム。
      私は仕事の都合で、2日目(9/30)午後からの参加となりました。

      3つのプログラムに参加しましたが、当ブログでは昨年に続き竹村先生の
      プログラムを取り上げたいと思います。

      まず特筆すべきははじめてハンドアウトが配布されたこと!
      (しかもフルカラーで立派な作り!)
      foodpic2754162.jpg
      ※一部濡れてふやけているのは、暴雨の中帰宅した名残・・・(涙)



      スライド画像の横に、書き込みできるスペースが設けられています。
      これは、参加者が家に戻り、得た知識を家族と共有する上で大変
      ありがたい配慮だと感じました。
      foodpic2754157.jpg
      協賛企業のDSファーマアニマルヘルスさんに大感謝!!



      ではでは、セミナーの内容をかいつまんでご紹介していきましょう。


      illust1925_thumb_20121012184134.gif

      「いろいろあるぞ!肥満の原因と対処法 
       -まずはプロに相談しましょう-」


      講師:竹村直行(日本獣医生命科学大学 教授)
      日時:2012年9月30日 15:10~16:20


      今回のテーマは万病の元といわれる「肥満」
      アメリカでは、実に47%と半数近い犬が肥満、または太り気味であるとの
      データが紹介されました。
      (出典:Todd L. Towell「Practical Weight Management in Dogs and Cats」


      先生曰く、よく飼い主さんから「うちの子の適正体重は何キロですか?」と
      質問されることが多いが、肥満であるか否かの判断は「体重」といった
      数字や見た目の印象で判断するのではなく、
      「ボディコンディションスコア(略してBCS)」で判断すべしと。

      「ボディコンディションスコア(BCS)」とは、筋肉や皮下脂肪のつき方
      から犬の体型を5段階評価したもの。
      BCSの一番のポイントは「肋骨」

      check_d_bcs_20121010191510.jpg
      チャートは日本ヒルズコルゲート株式会社のHPより転載


      肋骨まわりを触った時に「薄い脂肪に覆われ、(肋骨に)触れることができる」かどうか。
      これを、飼い主さんが、愛犬の肥満の可否を判定する「ものさし」として
      ほしい、と。

      もし脂肪に邪魔され、肋骨に触れることが難しい場合、その犬は「肥満」
      であり、危険信号が点滅していることを認識してください、とのことでした。


      ただし、「肥満」にも、現段階では健康上問題なく、単に食べ過ぎによる
      「単純性肥満」と、病気が介在している「二次性肥満」の2種類
      があり、その鑑別は一般飼い主では非常に難しい
      よって、ダイエットを検討する前に必ず獣医師の診断を受ける必要があるそうです。
      ※肥満や食べ過ぎは、病気(ホルモンなどの内分泌系)が内在している
       可能性もあり、飼い主が素人判断するのは危険。
       まずは獣医師に助力を求めるべし!


      「単純性肥満(単なる肥満)」 
       →要減量(減量しないと、将来新たな病気の原因になることがある 
        今は元気でハッピーでも、後々問題を抱えるリスクが高い
        ため、今すぐダイエットを!


      「二次性肥満(病気による肥満)」
       →何らかの病気が原因で肥満になっている可能性大
        減量が危険なこともあり。
        ダイエットではなく、病気の治療が必要となるケース。

      (例)
       ●腹水(心臓病、腎臓病、腸の病気、ガンなど)
       ●腹部臓器の腫れ(肝臓、腎臓、脾臓、子宮など)
       ●脂肪がたまる(内分泌の病気)※
        ※特に副腎皮質機能亢進症の場合は、よく食べ、よく飲み、排泄も
      沢山し、元気に見えることから、飼い主が病気であることに特に
      気づきにくい。  →獣医師の診察が不可欠。



      次に「肥満がもたらす悪影響」について。

      Todd L. Towell著Practical Weight Management in Dogs and Cats」より)
       翻訳:竹村先生
       ※下図は、竹村先生の翻訳をもとに、当方にてイラスト加工したものです。

      dog illust2
      Thanks to M/Y/D/S 動物のイラスト集



      肥満だからといって、必ずしもすべての動物が減量すべきというわけでは
      なく、特に心臓病や腎臓病を抱えた動物は
      減量しない方が良い


      その根拠となるのが「Obesity Paradox(肥満の逆説)現象」

      【Obesity Paradoxとは】

      ヒトにおいて、肥満は心疾患の発症リスクを高めるが、
      既に心疾患を患っている患者に関しては、痩せている患者よりも太り
      気味、肥満患者の方が長生き傾向にある、という現象。


      犬においても、近年同様の現象が多数報告されているとのことでした。

      心不全と診断された犬では、体重が減少した犬よりも、太った犬の方が
      長命。慢性腎疾患を抱えた犬のうち、痩せた犬は短命で、太っている犬は
      より長命であったとのデータが報告されているそうです。

      (結論)少なくとも心臓病、腎臓病の動物はダイエットしない方がよい。
          食べて、エネルギーを十分摂取しているからこそ、大病と戦う
          ことができる!


      (まとめ)
      (1)肥満には、ダイエットが必要な単なる肥満(単純性肥満)と、
         病気による「肥満」(二次性肥満)の2タイプあり
         →その鑑別は獣医師でないと難しい。
          必ず獣医師の診察を受けるべし!

      (2)肥満の原因となる病気の中には元気、食欲があり排泄も順調で
         あるため飼い主が気づきにくく発見が遅れがちになることも。
         →獣医師の診察が不可欠!せめて年に1回は検診を。

      (3)少なくとも心臓病や腎臓病の動物は、減量しない方が良い




      最後に、「竹村家で犬の肥満に関して気をつけていること」が
      紹介されました。

      ①犬の食器はできるだけ小さめのものを選ぶ
      (理由)大きい器だと、与える側の目には少量しかないように映り、
          「こんな少しではかわいそう・・・・」という心理が働き
          フードを追加しがちに・・・。
          小さい器であれば、フードにそれなりの嵩があるように見える
          ため、フードをつい追加してしまう衝動が抑えられる。
      (参考:Todd L. Towell 「Practical Weight Management in Dogs and Cats」より)

      ②間食・おやつは厳禁(ご褒美は与える)
      ご褒美は、少量の「ドッグフード」で十分なり!
      (理由)犬が本当にヒトから与えてほしいのは、必ずしも美味しい
          食べ物ではなく、ヒトが手で与えてくれること、優しい言葉を
          かけながら与えてくれること、その行為に喜びを感じているから
          ではないか。
          よって、与えるものはおいしい食べ物である必要はなく、
          主食のフードで十分。

      参考として「ちょっとした食べ物が、ビックリするカロリーに!」
      という例を紹介くださいました。
      (※主食以外のおやつとして与えた場合、ハンバーガー何個分に相当する
        かを表したもの)

      【体重5kgの犬の場合】

      ポテトチップス1枚・・・・・・     burger-vector-600x466_20121001185829.jpg(175 kcal)に相当
      小さなクッキー1個(60kcal)・・・・burger-vector-600x466.jpg(350kcal)に相当
      30gのチーズ・・・・・・・・・・・・・・・・burger-vector-600x466.jpgburger-vector-600x466.jpgburger-vector-600x466.jpgburger-vector-600x466_20121001185829.jpg
                          (1225 kcal)に相当

      牛乳コップ1杯(180cc)・・・・・・・burger-vector-600x466.jpgburger-vector-600x466.jpgburger-vector-600x466.jpgburger-vector-600x466.jpgburger-vector-600x466_20121001185829.jpg
                           (1575 kcal)に相当


      また、「フードは何グラム与えるかではなく、その後、体型がどう変化
      したか確認することが大事!」とのお話もありました。
      フードパッケージに記載された参考給与量をベースに与えて
      (もちろん給与量を獣医師に相談しても良し)、1週間後肋骨まわりを
      要チェック。
      肥満具合をチェックし、必要に応じてフード量を増減する。
      (パッケージはあくまで「参考給与量」であることを頭に入れておくこと)

      ※TWコメント
       竹村先生は、体重測定については触れておられませんでしたが、
       特に重度の肥満犬の場合は肋骨まわりの脂肪の微妙な変化に
       飼い主が気づきにくい可能性があるため、やはり体重測定も併せて
       行う方がベターな気がいたします。
       何より、飼い主さんのモチベーション維持にもなりますしね


      関連して、「処方食」は治療の一環として与える食べ物であり、
      獣医師が体重・体調の変化を見て良い結果が出ているかこまめに
      チェックしていく必要がある。
      現在、ネット通販などを利用して、安価に処方食を入手している
      飼い主さんも増えているが、獣医師が定期的に体重や体調をフォロー
      できていない状態が懸念される、とのコメントもありました。


      余談ですが、犬猫の食餌管理本にお詳しい竹村先生をして
      「やっとまともな本が出た!」といわしめた犬猫の体重管理に関する
      本がコチラ。
      $T2eC16dHJHYE9nzpfIpYBP9unyZlSw~~_32
      Todd L. Towell著「Practical Weight Management in Dogs and Cats」

      アメリカの獣医師Towell氏により、2011年にリリースされた犬猫の
      体重管理に関する実用書。(2012年10月現在和訳版なし)
      竹村先生曰く、肥満に関連する病気の中に、「高血圧※」の記載が
      なかった点からも内容の信頼性が高い!と高評価でした。
      (※ヒトと異なり、こと動物に関しては、肥満が原因で「高血圧」になる
        ことは絶対ないにもかかわらず、肥満の弊害の中に「高血圧」の記載
        が見受けられる既存本がほとんどだそうです。)

      現在翻訳本はありませんが、英語に支障なく、実践的な体重管理方法
      についてお知りになりたい方はアマゾンで購入可能です。

      (アマゾンを一応リンクしておきますね。)
      Practical Weight Management in Dogs and CatsPractical Weight Management in Dogs and Cats
      Todd L. Towell

      Wiley-Blackwell 2011-10-04
      売り上げランキング : 208305

      Amazonで詳しく見る
      by G-Tools




      以上、70分のレクチャーをざっと駆け足で紹介いたしました。

      この肥満に関するプログラムは2部構成で、第二部にて実際に患者家族と
      連携して減量成功に導いた横井先生(泉南動物病院)の大変興味深い
      ケーススタディが紹介される予定でしたが、残念ながら台風で交通ストップ
      が懸念されたため、参加は諦め、泣く泣く会場をあとにいたしました(涙)。

      講師の先生がせっかく興味深いスライドを用意くださっていたので、
      ハンドアウトからいくつか抜粋してみますと・・・。

      ①過食に伴う肥満は寿命を短くする!
      (カロリー制限をされた犬との寿命差は約2年!)

       
      出典:生涯削痩していた 犬は,同腹の肥満した犬よりもほぼ2年長く
         生存したことを確認  ( Kealyら2002年発表による)

       
       犬の2年は大きいです、本当に・・・・。


      ②日本における来院動物の体重過剰または肥満の割合
      (日本ヒルズ・コルゲート社調べ 2011年5月)

       小型犬:40%
       中型犬:30%
       大型犬:20%


      →日本の動物病院では、ペットの肥満に対し、十分な対策が取られて
       いないのでは? by 横井先生

       
      ③ほんの「少し」の体重増加が「少し」ではない件
      (例)8kgの犬が「1.2kg」増量するのは、56kgの人間が「8.4kg」も
         増量したことに等しい・・・・(ぶひっ!)


      ④減量に最適な時期は10月~4月(運動療法を取り入れるには最適)
        ※肥満度に応じた運動療法を行う必要あり



      獣医師が単に「太ってますよ」というだけでは減量は成功しない!
      ご家族(もちろん獣医師自身も)「肥満は病気」であることをしっかり認識すること。
      その上でご家族に愛犬が「肥満している」という認識を持ってもらい、
      どのようなリスクがあるか理解を求める。
      (体重が標準の範囲内を超えていても、約半数のご家族の方は肥満と
       思っていないとの報告あり)
      そして、どのように減量すべきか具体的に説明し、減量中の家族へ
      精神的なサポートを行う、これが獣医師の役割だ、と書かれてありました。
      (ぱちぱち!!)


      具体的には・・・・

      ・減量用フードの提案(例:ヒルズ r/d など)
      ・BCSと体重から一日の給与量を求め、減量用フードと水しか与えない
      よう指示
      ・適度な運動や遊びを提案
      ・2週間に一度の体重測定のため来院をすすめる。
       (1週間で0.5~1%のペースで減量させる。例えば体重10kgの犬で
       1か月400g)
       2週間ごとの体重測定で、順調に減量できている時は一緒に喜び、
       ねぎらう。減量できていない場合は、フード量、おやつの有無、
       運動のチェックなどを行い、ボトルネックを探り、改善案を提案する。

                            illust2075_thumb.gif

      つまるところ、ダイエット・肥満予防には、家族と主治医の連携が大切!と結ばれていました。


      いやはや、まったく同感であります

      実は今回、実家のメタボなワンちゃんを心配する友達を誘っての参加
      でしたが、愛犬を溺愛するお母さんをどう説得したものか、頭を
      悩ませている様子でした。
      家族がどんなに肥満のリスクやダイエットの大切さを説いても、
      信頼する主治医からの厳しい一言には到底かないません。


      モチベーションの維持がとかく難しいダイエット・・・・。
      「私たちと一緒に理想体重を目指しましょう!」としっかり肩を組み
      向き合ってくれる主治医の存在があればどんなに心強かろう、と
      しみじみ思います。

      でもそのためには、私たち飼い主の、獣医師を見極める「選択眼」も
      問われるのだと感じます。

      患犬の健康のため、私たち飼い主にとって「耳が痛い」話も
      はっきり伝えてくれ、時に叱咤し、励まし、飼い主の重いお尻をぺしぺし
      叩いて前進を促してくれる、そんな気骨のある獣医師さんを支持できる
      飼い主でありたいものです。


      今回のレクチャーが、友人宅で肥満のリスクとダイエットの必要性を
      一考する良いきっかけとなってくれることを切に願いつつ・・・。


      「健康な今だからこそ、ダイエットが有効なのです。」

      この言葉に込められた竹村先生の想いが、どうかお母さんに届きますように・・・・。



      以上、まとまりなくダラダラ書き綴ってきました今年のフォーラムレポート。

      本当はBCSについて、個人的に思うところを語りたかったのですが、
      ますますもって収拾が付かなくなりそうでしたので、今日はこの辺で
      失礼いたします。

      最後までお付き合いくださったみなさま、本当にありがとさんでした!!

      IMG_3012 (2)



      (おまけ)

      ところで、モチベーション維持にこういうものを利用してはいかがでしょう?

      ウェイトトラッカー (ヒルズ提供)
      http://pd.hills.co.jp/wm/tracker.html

      会員登録(無料)すれば誰でも利用可能。
      その日の体重、フード量、コメントを入力すると、自動的に体重の推移が
      グラフ化される、WEB体重管理帳です。


      また、もし主治医からヒルズの体重管理用製品を処方され、与えている
      ご家庭であれば、「ペットスリムコンテスト」への応募もちょっとした
      モチベにつながるかも?

      「ペットスリムコンテスト」
      http://pd.hills.co.jp/wm/contest.html

      ※応募対象は動物病院の指導により、ヒルズの体重管理用製品で、
       減量または体重管理を行った犬猫で、コンテストの応募は動物病院が
       行います。
       (飼い主が「体重管理ハンドブック」に必要事項を記入した上で
        動物病院に渡し、病院がコンテストに応募する、という流れ。
        ちなみに2012年度の応募受付締切日は2012年12月31日。)

      参考までに、こちらは「ペットスリムコンテスト2011年レポート」
      http://pd.hills.co.jp/wm/contest11_report.html

      受賞犬の写真と飼い主さんの一言コメントが紹介されています。
      「100g減量するだけでも大変でした」などの体験者の生の声は、
      けっこう励みになりそう


                illust4821thumb.gif


             






      21 : 31 : 15 | セミナーレポート | page top
      dog actually主催「それぞれの動物愛護のカタチ」イベント参加レポート(3)
      2009 / 12 / 30 ( Wed )


      10月4日に開催された「それぞれの動物愛護のカタチ」
      最後に登場されたのは、dog actually コラムニストの
      新木美絵さん。

      新木さんはイギリスのレスキュー団体、Dogs Trust から犬を

      引き取り 一緒に暮らしてきた経験をお持ちです。
      この日は、ご自分の体験などを踏まえ、「『Rehoming』
      という選択肢」をテーマにお話してくださいました。

      まず冒頭に、実験動物代替法の提案としてイギリスの研究者
      ラッセルとバーチが1959年に提唱した『3R』が紹介されました。

      3R(※参考記載)

      1.Replacement(代替)
        従来、実験動物を用いて行っていた医学研究を、動物を
        使用しない別の方法(試験管実験や、細胞培養実験など)に
        置き換えること

      2.Reduction(削減)
        実験動物の数を削減すること
                              
      3.Refinemen(改善)
        動物への苦痛の軽減、飼育環境の改善などをはかること

                                
      今回、新木さんご自身で考えられた「犬の3R」を紹介ください
      ました。

      犬の3R -Mie Shinki(2009)

      • Reduction  リダクション
       (殺処分数、生体販売、パピーミルの減少)

      • Refinement リファインメント
       (法改正、犬の福祉の改善)

      • Rehoming  リホーミング
       (家を失った犬に新たな家を見つける、里親になる)

      「Rehoming(リホーミング)」という言葉の意味を
      「家を失った犬に新たな家を見つけること」と説明し、
      イギリスにおける「リホーミング」の取り組みについて
      Dogs Trust (ドッグ・トラスト)の紹介ビデオを流しながら
      解説くださいました。

      (※紹介ビデオは、主催者によるイベントレポート
      ご覧いただけます。)

      簡単にドッグ・トラストの紹介がなされました。
      ご参考までに、ドッグ・トラストについて、こちらでも詳しく紹介
      されています。

      1891年設立(100年以上の歴史あり!)、イギリス国内に17カ所

      の施設を擁す英国最大の犬の保護団体でリホーミングに力を入れて
      いるそうです。
      ドッグ・トラストでは年間1,000頭のリホーム頭数を抱え、
      里親が決まるまでにかかるコストは一頭あたり約10万円。
      全17施設にかかる総費用は年間71億円。
      うち40億は市民や企業による寄付、22億は遺産の寄付、その他は
      イベント等による収入でまかなわれているそうです。
      (莫大な年間経費の半分以上が寄付でまかなわれているのは
      驚きですね!ちなみに、イギリスでは慈善団体への寄付には税金が
      かからないのだとか。)

      里親は、引き取り金として1頭につき60~100ポンド(約9,000~
      15,000円)をドッグ・トラストに支払うのだそうです。
      その他の保護団体として、RSPCA(王立動物虐待防止協会)や
      ウッドグリーンアニマルシェルターズ、ブルークロス、
      バタシー・ドッグズホームなどの名前が紹介されました。
      いずれの団体においても、子供への教育に力を入れている、との
      お話に、マルコ・ブルーノさんの「ペット文化定着に最も必要な
      ことは子供の教育」との言葉を想いました。

      新木さんはおっしゃいます。里親希望者に対する厳しい審査は
      犬と迎え入れる家族双方にとって当然必要なこと。
      日本でも、ペットショップに来る感覚で気軽にレスキュー団体に
      足を運んでもらえるようになってほしい。
      「うちの子、あのレスキュー団体から来たのよ。」と飼い主が
      誇れるような、一種の「ブランド意識」を目指せたら
      嬉しいですね、と。

      では、実際にレスキュー団体はどうあるべきか?
      新木さんのお考えは以下のとおりです。

      ・施設は必ず清潔であること!
       動物の住まいが清潔なのは当たり前。
       その上で、お洒落、可愛く明るい雰囲気を目指そう

      ・世話が行き届いていること
      ・問題行動を持つ犬への適切な対応
      ・親切で、気持ちのよいスタッフの対応
      ・経営能力
      ・信頼(ブランド意識醸成にはこれが必須)
      ・地域に開かれた施設であること。(イベント開催など)

      ドッグ・トラストのように、CMやスポンサー、ドッグショーなど
      の開催は資金的に難しくとも、明るく楽しい雰囲気を醸し出す

      ために、イメージカラーを設けたり(ドッグ・トラストのイメージ

      カラー はイエロー)、チャリティイベントや、著名人、芸能人の

      賛同を得るなどの方法は取り入れられるのではないかと

      思いました。
      また、引き取り料ができるだけ高額にならないように設定し、
      金銭的負担なく犬を手に入れるメリットを提供することも大事、
      とのことでした。

      私たちができるアクションとして、次のことが紹介されました。

      ・まず、現実に目を背けないこと(実は知らない人がほとんど)
      ・信頼できる保護団体に寄付する
      ・里親が決まるまで、一時預かりを申し出る
      ・保護団体でボランティアをする
      ・署名活動に参加する
      ・生体を扱うペットショップで買わない、行かない!

      そしてこの言葉を贈ってくださいました。

      “You can make a difference!” (あなたが変えられるのです)
      “One step forward!”(一歩踏み出して!)

      はじめて知りましたが、徳川綱吉の時代、犬専門の「犬医師」

      が存在したとか。また、戦後日本においても青山に低所得の人

      向けに、低い料金で動物の治療を行う施設があったそうですが、
      獣医師会からのクレームを受け、解散したエピソードを
      交え、時に逆行することもあるが、私たち一人一人が
      もっともっと勉強しよう!と力を込めて述べておられました。
      本を読んで、子供にも伝える、日本の基準を世界基準に
      近づけるよう、あきらめることなくトライし続けよう、
      気張らずに、動物に共感しながら相手を思いやる気持ちを
      持ちつつ、自分の意見はしっかり主張しよう。

      「動物愛護はうさん臭い、偽善的」と思われない国に
      するためには、まず私たちが勉強をし、感情的ではなく
      冷静、論理的に考え、行動することが大切だと力説される
      新木さん。

      「強者は弱者を守る責任がある」

      人間と犬との関係に当てはめれば、強者が人間で弱者が犬、
      ドアを次の人のために開けて待つ人は強者で開けてもらう側の
      人が弱者。
      つまり相手を思いやる気持ちを持つ者と持たれる者の関係で、
      人間でも動物でも、相手を思いやる気持ちと気遣いが何より大事
      である、との言葉に大いに頷きました。

      そして、最後に、「リホーミングとは忍耐である」
      と述べられた上で、こう締めくくられました。

      「リホーミングは人間として大変誇るべき行為であり、
       暖かい家、暖かいご飯、新しい命、新しい家を授けることは、
       本当に素晴らしいこと」



      新木さんから、会場に集まった方々に向けて「次に犬を迎える
      場合、レスキュー団体などから犬を引き取るなどリホーミング
      することも選択肢にありますか?」との質問が投げかけられ

      ほとんどの方が挙手で「YES」と応えておられました。

      そして私はといいますと・・・・実は白状しますとその時手を

      挙げることができませんでした・・・・。

      私が挙手できなかった理由、それは次に犬を迎える時、我が家

      は信頼するブリーダーから犬を迎えることになると思われる
      からです。
      これまでに、自ら保護したり、知人が保護した犬を引き取った
      経験はあります。どの犬も素晴らしい犬たちで彼らと過ごした
      時間は私にとって本当にかけがえのない宝です。

      ですが、両親が高齢となった現在の我が家において

      「飼いやすさ」 は、最重要ポイント。
      これはあくまで私個人のごく限られた経験を踏まえての印象

      ですが、 レスキューされた犬の中には、心と体に負った傷

      (トラウマ)が影響して、ちょっとした行動に表れるケースも多々

      あるように 見受けられます。
      比較的簡単に克服できるものから、愛情と忍耐をもって
      時間をかけて克服していくもの、克服が一筋縄ではいかず、
      一生折り合っていかざるを得ないものなどいろいろでしょう。
      新木さんの「リホーミングは忍耐」との言葉には
      そういったことも含まれているのかもしれないと感じました。

      「忍耐」を厭う、もしくは必要な気力・体力・時間を
      持ち合わせていない家庭は、いくら里親となる意志があろうとも
      リホーミングには適さないように私は思います。
      (もちろん、しっかりした保護団体であれば、こういった
      ことをすべて確認した上で譲渡の可否を判断するのでしょう)

      高齢者のいる我が家にとって、精神的に落ち着き、
      基本的なしつけが入った成犬でかつ一般に従順で優しい
      とされる犬種(例えばコリーなど)を信頼できるブリーダーから

      迎え入れることが家族、引いては犬双方の幸せにつながると

      考えています。

      このような考えの私が、リホーミングに関するレポートを書くのは
      それこそ偽善ではないか?という考えが頭をよぎりましたが、
      新木さんに伺った素晴らしいお話をできるだけ多くの方に
      ご紹介したいと思い、思い切ってアップさせていただきました。
      ご了承いただければ幸いですm(_ _)m

       

      以上、(遅ればせながら)「それぞれの動物愛護のカタチ」の

      イベントレポートを3回に分けてご案内いたしました。

      最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

      さまざまな立場で真剣に動物愛護問題に向きあう方々の

      お話を直接伺うことができたことは、本当に貴重な体験でした。

      主催されたnifty社と関係者の方々に心から感謝いたします。

      伺ったお話を自分の中に確実に落とし込み、自分のできることを

      できる範囲で行動し続けていこうと思います。

      23 : 25 : 03 | セミナーレポート | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
      dog actually主催「それぞれの動物愛護のカタチ」イベント参加レポート(2)
      2009 / 12 / 30 ( Wed )
      今年も残すところあと2日!暮れも暮れにきて、アップし忘れ
      ていた記事があるのを思い出しました・・・(どひゃぁ)

      10月に参加したdog actuallyのイベントレポートその2。
      2ヶ月以上経ってのアップなんて、間が抜けすぎですが、
      え~いこの際アップしちゃいます。
      その後のアップをまだかまだかとお待ちくださって
      いた方がもしいらしたら、本当にすみませんでしたm(_ _)m

      10月4日、お台場の東京カルチャーカルチャーで
      開催された、dog actually主催「それぞれの動物愛護のカタチ」に
      ついてのレポート第二弾です。
      (第一弾につきましては、こちらをご参照ください)

      ※dog actually 主催者によるイベントレポートが掲載され
       ていますので、ぜひこちらもご覧ください。
      (大変わかりやすく、簡潔にまとめられています!さすが!)


      先のマルコ・ブルーノさん(動物愛護支援の会)と映画監督の
      飯田基晴さんに続いて登場されたのは、『AERA』記者の
      太田匡彦さんと、前衆議院議員の藤野真紀子さん。
      議員時代より、動物愛護の問題に積極的に取り組まれている藤野
      さんが最初にお話してくださいました。
      マイクを握る藤野さんから「なんとかしなくては!」という
      強い危機感と熱い想いをひしひしと感じました。

      現在の日本において、何かを変えたい場合は「政治家を動かして
      国会の可決に持ち込むことが最も早い方法」とのくだりは
      議員を経験された方ならではの実感が込められていました。
      私たち国民一人一人が声を上げ続けることで、議員はとても動き
      やすくなる、と。
      藤野さんが考える日本における動物保護の解決策は以下のとおりです。


      1.まずなにより「数の力」!国民一人一人が声を上げること。
        皆さんの声を!

        法律ありき。署名が集まることで、国会議員や役所は
        動きやすい。
        社会的に影響力のある著名人(スポーツ選手やタレント、
        マスコミ関係者など)に発信してもらうこともとても有効。


      2.教育

       動物愛護の問題は、「人の問題」であることをしっかり認識する。
       また、野生動物ではない犬は、子供同様、教育することが大切。
       しつけは犬が人間社会でのびのび生きていくためにも必要。


      3.政治家とのパイプ

       議員の「数」と「声」で役所が動く。
       問題意識をしっかり持った議員と連携し、次の法改正に
       持ち込みたい。

      (改正案の一例)

      ・ペットビジネス業を登録制にし、施設に動物を何度も持ち込んだ
       業者は営業停止にする

      ・施設で殺処分を行う際、苦痛を伴う炭酸ガス(二酸化炭素)に
       よる酸欠死ではなく、山口県下関市の動物愛護管理センターで
       導入されたガス麻酔を使った「安楽死」等に切り替える

      ・オークションで販売される子犬にも予防接種を義務づける 

                               などなど

      4.罰金制
       
       罰金を取り締まる法律を作ること。
       それには、「虐待」の具体的な定義づけが必要だが、
       役所は及び腰。
       口のきけない動物の虐待事件においては「100の情報より
       1つの物的証拠」
       虐待の現場を押さえたら即通報すべし!
       センターに、動物を何度も持ち込んだ業者に罰金を科すなど
       ペナルティーで抑止を図ることも一つの方法


      また、財源確保の問題にも触れられていました。
      想いが先立ちがちな問題だが、財源確保は非常に大切。
      環境省は、犬・猫の問題では予算が取りにくい現実あり。
      議員の数と声で役所(霞ヶ関)を動かし、予算付けで
      アクションに移すための財源を確保する。
      ただし、せっかく確保した予算を地方自治体に分配しても、
      分配された予算の使用判断は、各地方にあるため、地方の意識が
      低い場合は、使用されない場合もあるそう。

      これらのことからも、私たちが市長や知事を選ぶ際、動物の命に
      対してどのような考えを持っている人なのかよく考えて選ぶことも
      必要だろう、とのことでした。
      地方の認識・知識を上げるためにも、やはり私たち一人一人が
      自分たちにできる方法で声を上げていく必要があるのですね。

      藤野さんは、マスコミの力を活用しない手はない、とも
      おっしゃっていました。
      (マスコミ関係者の方にぜひ議員生活を経験してもらいたい、
      との発言も)

      余談ですが、藤野さんご自身、高齢となった愛犬の介護をなさって
      いるそうです。
      「生き物とのつきあいは、『覚悟』がいる。それは子供を持つこと
       や結婚を決意する時と同じ。」と。

      覚悟も必要な知識も持ち合わせず安易に動物を飼う、
      流行犬種や可愛い子犬しか飼わない、しつけもせず成長したら
      捨てる、高齢になりガンになったから捨てる...
      といった親や祖父母の行為を目の当たりにした子供たちは一体
      どうなるのか?子供達への計り知れない影響を心配されて
      いました。

      年老いたもの、幼きもの、か弱きものに対する自然に溢れる
      思いやりと愛情。
      これらを次世代に伝え続けていくことができてこそ、成熟した社会
      といえるのでしょう。


      次に太田さんのお話が続きます。

      太田さんは、過去3回『AERA』で特集されたペットビジネスに関する
      記事を踏まえ、取材で得た資料や写真などをスライドで紹介しながら
      ペットビジネス問題について語ってくださいました。

      犬を施設に持ち込む際に記入する「引き取り申請書」の写しを
      見せてくださり、同一犬種、多頭数、同じ月齢、同じ筆跡など
      から、あきらかに業者と思われる人の持ち込みが多いこと、
      また、飼い主が施設に持ち込む理由の多くが
      「仕事もなく収入がない」「老犬のため尿を垂れ流し」
      「先住動物と相性が悪い」であることが明らかにされました。
      会場に集まる誰もがやるせない気持ちになったことでしょう。

      太田さんは、お弁当を一例に出してこうもおっしゃいました。

      「誰が作った、どういう商品かもわからないお弁当を買う人は
       いないのに、こと犬・猫に関しては安易に購入してしまう
       ことが不思議でならない。」

      飼い主に、結果的に衝動買いを促しているペットショップの
      責任も大きい、としながらも太田さんは日本においては、
      ブリーダーと飼い主の「橋渡し」として機能するのであれば
      ペットショップの存在意義はあろう、と述べられていました。
      (私個人としましても、犬種選び、世話の仕方やしつけ、
      手入れやひいては介護の仕方などなど、飼い主さんに必要な
      情報と知識を提供する「ホームコンサルタント」的存在と
      なるペットショップが増えてくれることを願ってやみません。)

      また、同時に飼い主側がペットショップを「審査」していく
      ことが大切だ、ともおっしゃっていました。
      私たち飼い主がペットショップを選定していくのだ、
      という心構えはとても重要だと思います。
      24時間営業のペットショップやネットショップなどが
      存在する、ということはつまりは「支持を集めている」
      ということ。
      私たち自身が、しっかりした知識・情報に基づいた選択眼を
      持ち合わせる必要がありますよね。

      太田さんのように、日本におけるペットビジネスのあり方を
      変えることが必要なのでは?という問題意識を持ち、
      取材を続けるジャーナリストの方がおられること、そして
      このような問題を取り上げてくれる『AERA』のようなメディアの
      存在に大変心強く思います。

      『AERA』でもペットビジネスに関する記事の反響はとても多いそう
      で、今後特集も予定されているそうです。
      (まさしく、藤野さんのおっしゃる「マスコミの力」と
      「数と声」ですね。)
      太田さんのペットビジネスについての記事をお読みになりたい方は、
      バックナンバーも購入可能、とのことでした。

      議員として動物愛護問題に関わっておられた方のお話を直接
      お伺いしたのははじめてでしたが、

      「これからも影響力のある人を巻き込んで活動をしていく。
       自分が議員とのパイプになるからぜひ声を上げてほしい!」

      と力強く語る藤野さんから、パワーをいただいた気がいたします。
      藤野さん、太田さんお二方のお話を伺い、改めて自分なりに問題
      意識を持ち、自分ができることを続けていくことがいかに大切な
      ことなのか、教えていただいた気がいたします。

      以上、いつもながらまとまりのない文章となってしまいましたが
      最後までお読みいただきありがとうございました!
      アンカーを務められた新木さんのお話はその3として
      また改めてご紹介したいと思います(^^)
      17 : 00 : 47 | セミナーレポート | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
      dog actually主催「それぞれの動物愛護のカタチ」イベント参加レポート(1)
      2009 / 10 / 11 ( Sun )
      先日(10月4日)、お台場の東京カルチャーカルチャーで
      開催された、dog actually主催「それぞれの動物愛護のカタチ」に
      参加してまいりました。
      今回は、その当日の模様をレポートします。

      ※dog actually 主催者によるイベントレポートが掲載され
      ていますので、ぜひこちらもご覧ください。
      「それぞれの動物愛護のカタチ」イベントレポート

      開演直前に会場入りしたところ、既にほぼ満席!
      今回、dog actually初の主催イベントとのことですが、
      熱気溢れる会場の空気に参加者の関心の高さをひしひし
      感じました。

      司会進行を務められたのは放送作家で
      動物愛護管理法を見直す会代表の藤村晃子さん。
      イベントは出演者2名の対談形式で進んでいきます。
      トップバッターは、動物愛護支援の会代表の
      マルコ・ブルーノさんと映画「犬と猫と人間と」(10日公開)
      を監督された飯田基晴さん。マルコさんと一緒に壇上に登場
      したマイケル君に会場の視線は釘付け!
      マイケル君は、嬉しそうにシッポを振りマルコさんに寄り
      添っています。
      マルコさんは講演会に、レスキューされ、今はブルーノ家の
      一員となった犬たちを同伴することが多いそうです。
      見知らぬ大勢の人を前にしても、興奮せず、落ち着き払い、
      マルコさんと一緒にいることを心から喜んでいるマイケル君。
      マイケル君のように、適切な管理としつけ、愛情が与えられ
      さえすれば、素晴らしい伴侶となりうる犬たちがどれだけ
      遺棄され、命を失っているかに思い馳せると本当にいたたまれ
      ない気持ちになります。

      オーストリア出身のブルーノさんは、日本にお住まいになって
      40年以上。
      遺棄された動物たちの行く末に心を痛め、長年精力的に
      動物保護活動と啓蒙活動に取り組んでおられます。
      陽気でユーモアたっぷりの語り口はまさにマルコ節!
      日本における犬猫の年間殺処分頭数「30万頭」。この数字は、
      欧州の人々にとっては、にわかには信じがたい
      「尋常ならざる多さ」であると私たち一人一人がまず認識
      すること。
      そして、自分の国で実際に起こっている事実に、目を背ける
      ことなく、現実としてしっかり受け止めることからスタートしよう!
      それがひいては国(政治家や官僚)を動かす原動力となりうる
      のだから、というメッセージを受け取りました。

      「関心を持つこと・問題意識を持つこと」そして「声をあげること」

      特に印象深く感じたのは、「日本におけるペット文化定着に
      一番必要なものは何か?」と尋ねられたマルコさんが
      「子供の教育」と答えていらっしゃったこと。

      対談の中で、マルコさんが小学生の頃、野外授業で蝶々を
      手で触って先生に平手打ちされたエピソードを披露してくださ
      いました。
      先生の説明はこうです。
      「観察とは、見て行うもので、触れるものではない。」

      オートスリアでは生き物の生命が危険にさらされる行為は
      禁止され、幼少時より、命の大切さ、相手に対する相互理解
      力を、生き物通じて学ぶことを一つの社会教育として重視して
      いるのだそうです。
      「動物に対する慈しみの気持ちが、ひいては人間に対する
      思いやり、相互理解につながる」と語るマルコさん。

      子供の手を引いて飼い犬を保護センターに持ち込む親の意識
      を変えることはたとえ難しくとも、「命を慈しむことの大切さ」を
      学んだ子供は、安易に同じことはしないはず。
      否、させないような仕組みづくり、取り組みを私たち一人一人
      が真剣に考え、議論し、行動に落とし込んでいくことの
      重要性を改めて考えさせられました。
      (余談ですが、金魚すくいや、動物ふれあい広場など、
       不特定 多数が好き勝手に動物を触る行為もオーストリア
       ではNGだそう)

      飯田監督は「動物保護先進国の『動物の権利』概念をその
      まま日本に持ち込むことは難しいかもしれないが、学ぶことは
      沢山ある」とコメントされていました。

      お二人が考える、犬猫の大量殺処分問題における改善の
      ポイントは主に以下のとおりでした。

      「流行」・・・消費者が、流行に左右され、犬種や適性に関する
             知識もないまま安易に犬を購入しないようにする。

      「流通」・・・日本の多くのペットショップでは、犬猫の流通過程
             がほとんど見えず。
             不透明な流通形態是正に向けた取り組みを!

      「法律」・・・罰則規定はあれども、違反行為を取り締まる
             「仕組み」なし。
             法改正に向けた積極的議論とアクションが求めら
             れる。

      なお、昨日公開された映画「犬と猫と人間と」は、
      スタッフ3名で4年をかけて制作されたそうです。

      「一人でも多くの人(特に若い人)に映画を観て、現実に
       起こっていることを知っていただきたい」飯田監督の願いは
      映画制作を支えた全ての方、そして動物保護に真剣に
      取り組んでおられる多くの方の願いだと思います。
      映画制作にあたり、飯田監督は「動物愛護のPR映画には
      したくない」と心がけられたそうです。
      事実を、淡々と、ありのままに伝える・・
      事実を知り、どう考え、どう行動するかは観る人本人に
      ゆだねられます。
      まず何より私たち一人一人が「知ること」「知ろうとすること」
      から始まるのだと思います。

      長くなりましたので、とりあえず今日はこのあたりで失礼します。

      次回は、前衆議院議員の藤野真紀子さんとAERA記者として
      日独の動物保護施設を取材された太田匡彦さんの対談、
      dog actuallyコラムニストの新木 美絵さんの発表をレポート
      したいと思います。

      (お願い)
      なにぶん、書いている私の主観も多分に反映されているかと
      思いますので、当日参加された方で、「ここはこうだったの
      では?」「こういうコメントもあったよね」とのご意見があり
      ましたらどしどしお寄せくださいね!
      12 : 33 : 40 | セミナーレポート | トラックバック(0) | コメント(2) | page top
      動物愛護シンポジウム
      2009 / 09 / 20 ( Sun )

      本日は、午後から動物愛護シンポジウムに参加してまいり
      ました。
      「ペットの高齢化について考える」をテーマに行われた基調
      講演とパネルディスカッションの内容は後日ご報告したいと
      思います。

      シンポジウムに先立ち、動物愛護週間制定60周年記念切手
      贈呈式および各種表彰式がおこなわれました。
      郵便事業株式会社の北村社長より、記念切手は寄付金付で、
      寄付金の配分先については公募し、社会福祉の増進等を
      目的として動物との関わりを持つ事業に助成されることが
      説明されました。
      (記念切手の価格は55円で、5円は寄付金となります)
      なお、今回の切手デザインは、公募で集まった犬猫の
      写真から10頭を選び、作画したとのことで、日本郵便の
      HPにも、モデルになった犬猫の名前が載っています。
      日本郵便

      式の途中、松野内閣副官房長官も駆けつけ、挨拶を
      されました。
      その中で、2009年度予算にて、環境省所轄の動物愛護
      管理推進費として、新設で「動物収容・譲渡対策施設整備
      補助」(1億円)が予算化されたこと。
      殺処分ではなく、譲渡を目的とするための施設に予算が
      ついたことは我が国でははじめてのこと、とお話がありました。

      ALIVEさんの記事によれば、今後、犬猫の一時保護と譲渡
      の促進のために、老朽化した施設を改善したいとの自治体
      の求めがあれば、直接国から半額の補助金を受けることが
      できるそうです。また、この予算は、国の動物愛護管理指針
      にもとづく犬猫の殺処分半減計画内(平成29年度)まで、
      今後8年間、予算がつくとか。
      ALIVE

      まずは一歩前進、ですね。

      その後、平成21年度動物愛護週間ポスターのデザイン
      絵画コンクールをはじめ各種受賞者の表彰式が行われ
      ました。
      環境大臣賞受賞者には、小沢環境大臣自ら賞状と記念品
      を渡されていました。
      第34回動物愛護に関する標語コンクール受賞作品を
      ご紹介します。

      カメさんが ゆっくり歩く いい世界(環境大臣賞)

      臭いけど それが生きてる あかしだよ
      (日本動物園水族館協会長賞)

      そのまま 自然のままが 一番素敵(同上)

      人間の 遊び場増えて 森消える(同上)


      どれも「なるほどなぁ」と頷きながら聞いていました。

      そして最後は、第10回動物愛護キャッチコピーコンクール
      受賞作品より。

      「動物も 願いは同じ『気持ちよく』
      『楽しく』あなたと 生きること」


      本当にそのとおりだと思います^^


      (おまけ)
       会場となった東京国立博物館 平成館へ向かう途中、
       素晴らしく重厚で壮麗な建物を発見!
      kodomo2_0209.jpg
                                     [Photo by Mask ]

      明治39年に帝国図書館として竣工され、
      その後国立国会図書館支部上野図書館を経て
      平成12年から国際子ども図書館として開館しているそうです。

       
      館内も「古き良き明治のかほり」 に充ち満ちて
      素晴らしいです。
      kodomo4_0304.jpg
      [Photo by Mask ]

      またゆっくり訪れたいと思いました。

      23 : 19 : 12 | セミナーレポート | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
      | ホーム |