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      我とともに老い行かん
      2016 / 07 / 23 ( Sat )
      先日、久しぶりにヘリオット先生シリーズを手にとり再読。

      このシリーズ、やっぱり好きだなぁ。
      気持ちが落ち着くのであります。

      筆者の獣医師としての実体験をベースにしたフィクションですが、
      大なり小なり、各エピソードにはモデルとなった人々や動物たちが
      実在したものと思われます。
      少なくとも私はそう捉えています。


      今回手にとったのは、「生きものたちよ(原題:Every Living Thing)
      foodpic7135081.jpg



      いくつも素敵なエピソードがあるのですが、
      その中から大きな黒ラブのジェットと、隣人のハウエル夫妻のお話しを
      簡単にかいつまんでご紹介します。


      ほぼ「ネグレクト」同然に飼われていたジェットは酷い疥癬を患っていました。
      毎日全身を洗浄する必要がありましたが、家族はやる気なし。

      心配した先生がジェットの元を尋ねると・・・・・

      裏庭でせっせとジェットを洗っていたのは、隣に住む老夫妻ではありませんか!

      驚くヘリオット先生に、ご主人がいいました。

      ジェットの飼い主は、指示どおり毎週犬を洗ってやることはしないだろうから
      自分たちにやらせてほしいと頼んだ、と。

      「私たちはこの犬が好きなんです。」

      これから何週間にもわたって薬浴しなければいけないが、その覚悟は
      できていますか?お宅の犬でもないのに・・・と尋ねる先生に、
      夫人ははっきり答えました。
      「自分たちがちゃんとやります、どうぞご心配なく。」

      この老夫妻は、少し前に12年連れ添った愛犬を交通事故で
      亡くしたばかりでした。

      犬をこよなく愛する夫妻は共に70代。
      高齢の自分たちの身に何かあったら、愛犬がひとりぼっちになってしまう。
      だから新たに犬を飼うのは諦めたとのこと。

      それから3週間後。

      ヘリオット先生は街なかで買い物中の老夫妻と傍らにいる
      ジェットを見かけました。
      今やジェットは夫妻の犬でした。
      夫妻はジェットを正式に譲り受けたのでした。

      **********************************************************


      「それはそうと、あなたがこの前私に言ったことはどうなったんです?
      年をとりすぎていて心配だということは?」

      彼女は胸を張った。

      「そのことなら、わたしたちは話し合ってこう考えたんです。
       つまり、ジェットは仔犬ではなく、いま六歳ですからね。
       まぁ三人で一緒になんとかやっていきましょうって。」

      「それはすばらしい。
      <我とともに老い行かん!最良のものまだ先にあり>というわけですね」

      彼らはふたりとも笑った。ハウエル氏が指を立てた。

      「そうです、その通りです。まさにうってつけの詩の文句ですな。
       ジェットがうちに来て、私たちは大喜びなんです。
       可愛がっていたノビーを亡くしてからの犬のいない生活は
       本当に惨めでしたよ。いつも犬と暮らしていたもんでしてね。
       ですからいまは幸せですよ」

      ふたりはほんとうに幸せそうだったし、ジェットもまた同じで、
      笑いながら私を見上げ、腰ごと尻尾を振っていた。

      (中略)

      私は彼らが緑の小道を通り、オークの木の大きく伸びた枝の下を
      抜けて遠ざかっていくのを見送った。
      ジェットは棒切れを追いかけ、それを励まして叫ぶハウエル夫妻の
      陽気な声が聞こえた。

      私はブラウニングの詩行をまた思い浮かべていた。
      小さな森が彼ら三人組の姿を視界から隠してしまうまで見送った後、
      <最良のものまだ先にあり>の感をいっそう強くしたのだった。

                     ジェイムズ・ ヘリオット 「生きものたちよ」より



      ヘリオット先生が引用したのは、19世紀のイギリスの詩人
      ロバート・ブラウニングがアブラハム・イブン・エズラについて書いた詩
      「ラビ・ベン・エズラ」の冒頭の二行。
      私ははじめて知ったのですが、なんとも力強く前向きな言葉ですね。
      さしずめ、「お楽しみはこれからさ!」といったところでしょうか。


      Grow old along with me! 我とともに老い行かん!
      The best is yet to be  最良のものまだ先にあり





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      余談ですが、今日友人がお泊り組のがるちんに会いに
      わざわざホテルに遊びに来てくれました。

      ふと思い出したのですが、彼女も高校生時代、
      隣家でほぼネグレクトに近い状態だったワンちゃんを気の毒に思い、
      せっせとお散歩に連れていったり、お水を取り替えたりと
      お世話をしていたのでした。

      隣家ではお世話ができないご事情もあり、晴れて
      ワンちゃんは友人宅の子になりました。
      優しいお父さん、お母さん、お姉さんたちの愛情を一身に受けて
      すごす幸せな時間は、長くは続きませんでした。
      その子はすでに末期のフィラリア症に罹っていたのです。
      友人のご家族はそれを承知でその子を迎え入れたのだそうです。

      そしてその子亡き後は、友人の実家では犬は飼わないと決めた
      そうです。
      後にも先にも、愛犬はその子ただ一頭のみ、と。

      大学で私が彼女と知り合った当時、既にワンちゃんが他界していたことを
      ずいぶん後になって知った時には正直とても驚きました。

      私の記憶が正しければ、彼女は私と愛犬自慢をしあう時、
      過去形を使わなかったから。

      どれほど可愛い、家族全員の自慢の犬か、
      瞳と顔を輝かせ、イキイキ嬉しそうに語っていました。
      現在形で。


      彼女は今も大の犬好きさんですが、
      その後一度も犬とは暮らしていません。
      お仕事で一日留守にせねばならず、とても飼える環境にない、と。

      彼女のような人が、いつか再び犬と暮らせる日がめぐってくるといいなぁ、と
      内心いつも思っています。

      The best is yet to be....  

      foodpic7136739.jpg
      ね。



      22 : 20 : 36 | 感想あれこれ | page top
      お休みのお知らせ
      2016 / 07 / 18 ( Mon )
      いつもチームウィルをご利用いただき、誠にありがとうございます。

      誠に勝手ながら、以下のとおりお休みを頂戴いたします。

      何卒よろしくお願い申し上げます。

      【お休み】

      7月18日(月)・19日(火)・20日(水)
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      00 : 23 : 30 | お知らせ | page top
      ドノヴァン夫人と愛犬ロイ
      2016 / 07 / 13 ( Wed )
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      久しぶりに絵本を購入したのですが。

      想像していた以上に素敵でしたぁ

      というわけで、こんな時間に鼻息荒くブログをしたためている次第。


      ヘリオット先生シリーズ「わが動物賛歌」」の中で、個人的にもお気に入りな
      ドノヴァン夫人とロイのエピソードを子供向けに絵本にしたものですが。

      もうね。

      挿絵がたまらなく可愛いっ!!

      foodpic7116838.jpg




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      温かみがあって、動物、とりわけ犬への愛がにじみ出ている
      気がしました。
      犬好きの方が描いておられるのだろうな、と思いますれば
      やはり愛犬家でいらっしゃいました



      もし私に小学生の子供がいたら、間違いなくこの絵本を贈ると思いました。

      犬を慈しむということ、またその反対とは、

      犬を喪うということ(時に思わぬ事故という形で・・・)

      犬と互いに支えあって共に生きる素晴らしさ などなど

      この二人のエピソードは、子供たちに自然に多くの大切なことを
      伝えてくれると思うからです。

      絵本の中に、「安楽死」という言葉がさらりと登場します。

      まだ幼いお子さんでしたら、「あんらくしって??」と大人に尋ねることでしょう。

      そのとき、自分だったどう説明するだろうと考えさせられますね。
      (あ、安楽死はけっして物語の核ではありませんのでご安心を!)


      平易な日本語で書かれていますし、漢字にはすべてふりがなが
      ついています。

      個人的に、動物好きのお子さんへのプレゼントに適しているなぁ、と
      感じました。


      こちらの絵本の原著である「わが動物賛歌」」でのラストも、12歳になったロイが
      元気に堂々とドノヴァン夫人のお供をして歩いているシーンで終わりますが、
      後年発表された「愛犬物語」では、彼らのその後にも触れています。

      ロイは10代後半まで生き(大型犬としては大変長生きしたのですね!)
      ロイ亡き後、町の老人ホームに入居したドノヴァン夫人とのやりとりが
      紹介されていました。

      ドノヴァン夫人は悲嘆にくれていました。
      キリスト教の教えでは、魂のない動物たちは死後、あの世にいくことができない。
      となると、自分は愛する動物たちとあの世で再会することは永遠に
      叶わないのではないか・・・と。
      死別してなお、愛犬たちを心から愛していたドノヴァン夫人にとって
      それはあまりにも無慈悲で救いのない考えだったことでしょう。

      そんな彼女にヘリオット先生は力強く断言しました。

      「そんなことはけっしてありませんよ。
       あの世にいっても、また愛する犬や猫たちと会えます。
       僕は心からそう信じています。」

      ドノヴァン夫人が、どれほど喜びに輝き、救われる思いだったことか
      想像に難くありません。

      私にとって、このドノヴァン夫人とロイそして先代犬レックスの
      エピソードは、瀕死のところ、間一髪で救われたラフコリー犬ベニーと並び、
      とりわけ印象深いエピソードであります。

      年齢問わず、犬好きさんにはお勧めしたい一冊です。

      おっと、長々と失礼いたしましたm(__)m。


      (※念のため、アマゾンの当該ページをリンクしておきます。)

      ヘリオット先生とドノバンおばさん
             ヘリオット先生とドノバンおばさん


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      女の子と風
      2016 / 07 / 13 ( Wed )
      昨日、所用で出かけた帰りに、山手通りに差し掛かったときのこと。

      前方から、小さな女の子が歩いてきました。

      つと、女の子は私のすぐ目前で足を止めると、

      両腕でふんわり優美な曲線を描き始めました。

      まるで、オーケストラの指揮をしているみたいに。

      (あら、おゆうぎ会の練習でもしているのかしら?)と微笑ましく眺めていますと、

      ふわーっと風が女の子の長い髪の毛を吹き上げました。

      夕陽に照らされ亜麻色に輝く髪の毛に、風が愉快そうに戯れている

      なんだかそんな光景にも見えました。


      先を歩いていらしたママさんが女の子を振り返り、声を掛けました。

      ママぁー!と、まるで何か重大事実を発見したかのように女の子は

      興奮気味にママに向かって走っていきました。


      少したってふと思ったのですが。


      あの時、女の子は風を全身で感じ、風との対話(?)を
      エンジョイしていたのかな、と

      ホントのところは女の子にしかわかりませんけれど。




      foodpic7115366.jpg
      ちなみにこちら、今朝のガウス先生。





      foodpic7115368.jpg
      オヤツは出てきませんよ。

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